パワーと相互依存
相互依存関係における敏感性と脆弱性を豊富な事例により多角的に検証。複合的相互依存というキー概念により、国際政治への新たな視点を切り開いた相互依存論の古典的名著を初邦訳。(原書:Robert O. Keohane and Joseph S. Nye, Power and Interdependence third edition, 2001.)
序 文
第Ⅰ部 相互依存関係を理解する
第1章 世界政治のなかの相互依存関係
1 相互依存関係の新しいレトリック
2 分析概念としての相互依存関係
3 パワーと相互依存
4 国際的レジーム変容
第2章 リアリズムと複合的相互依存関係
1 複合的相互依存関係の特徴
2 複合的相互依存関係の政治過程
第3章 国際レジームの変容を説明する
1 経済過程についての説明
2 全体的なパワー構造についての説明
3 イシュー構造
4 国際組織モデル
5 説明の要約
第Ⅱ部 海洋と通貨の問題領域におけるレジーム変容
第4章 海洋と通貨の問題領域における政治
——歴史的概観
1 国際通貨という問題領域
2 海洋問題における争点
3 結 論
第5章 海洋と通貨の問題領域における複合的相互依存関係
1 複合的相互依存関係の諸条件
2 通貨と海洋における政治過程
3 結 論
第6章 海洋と通貨におけるルール形成の政治
1 経済過程とレジーム変容
2 全体構造とレジーム変容
3 イシュー構造とレジーム変容
4 国際組織とレジーム変容
5 システム的説明の限界——国内政治とリーダーシップ
6 結 論
第Ⅲ部 レジームと2国間関係
第7章 米加関係と米豪関係
1 米加関係と複合的相互依存関係
2 米豪関係と複合的相互依存関係
3 米加関係のイシューと結果
4 米豪関係のイシューと結果
5 アジェンダ形成をめぐる政治の比較
6 結果の違いを説明する
7 レジーム変容をめぐる新たな説明
第Ⅳ部 アメリカと複合的相互依存関係
第8章 相互依存関係への対処
1 世界政治の説明モデルと条件
2 複合的相互依存関係におけるパワー
3 複合的相互依存の傾向
4 複合的相互依存関係におけるリーダーシップ
5 多様なリーダーシップと政策調整
6 国際レジームの正当性の構築
7 国際組織と国内組織
8 結 論
第Ⅴ部 グローバリズムと情報の時代
第9章 パワー・相互依存関係・情報の時代
1 情報革命と複合的相互依存関係
2 情報とパワー
3 豊富さの逆説と信頼に関する政治的問題
第10章 パワー・相互依存関係・グローバリズム
1 グローバリゼーションと相互依存関係
2 現代グローバリズム——何が新しいのか?
3 グローバリゼーションと冷戦の終結
4 政治・公平さ・パワー・統治
第Ⅵ部 理論と政策についての再考(1989年)
あとがき
1 『パワーと相互依存』の主要なテーマ
2 『パワーと相互依存』の研究プログラム——批評
3 構造理論の限界——システムとしての政治過程
4 認識と学習
5 結 論
多国間主義を推奨する2つの論点
1 レジームの必要性
2 非現実的なビジョン
3 レジームの維持
監訳者あとがき
監訳者解説
人名索引
事項索引