公的扶助ケースワーク実践Ⅱ 生活保護のスーパービジョン
本書では、前著『公的扶助ケースワークⅠ 生活保護面接必携』と連関しつつ、事例を深く掘り下げ、着眼点や取り扱うべき留意点、そしてスーパーバイジーを通して、「実践的スーパービジョン」を意図し構成する。また、事例、ケースカンファレンスを通したスーパービジョンを念頭に、保健福祉フィールドで汎用化できる「問題解決能力」や「実践力」を身につけることを目指す。
第Ⅰ部 公的扶助とスーパービジョン
第1章 生活保護のスーパービジョン
1 スーパービジョンの意義と目的
2 生活保護の援助関係の特性とスーパービジョン
3 実践過程への視座とスーパービジョン
4 保護の決定とスーパービジョン
5 生活保護実践とスーパーバイズ機能
第2章 福祉事務所の実施体制
1 福祉事務所の実施体制
2 福祉事務所の実施体制の整備充実
3 保護の実施体制とソーシャルワーク
4 福祉行政における専門職
第3章 スーパービジョンの目的と機能
1 管理的目的と管理的機能
2 教育的目的と教育的機能
3 支持的目的と支持的機能
4 評価的目的と評価的機能
第4章 スーパービジョンの方法と課題
1 個別的スーパービジョン
2 グループスーパービジョン
3 ピアスーパービジョン
4 ライブスーパービジョン
5 コンサルテーション
第5章 コミュニケーション技法
1 援助的相談関係の実現
2 コミュニケーション技法
第Ⅱ部 スーパービジョンの実際
第6章 生活保護の運営と求められるスーパービジョン
1 援助的態度の形成
2 サービスに結びつかない人への対応
3 保護の決定実施とスーパービジョン
4 専門職のバーンアウトとスーパービジョン
第7章 スーパービジョンにおける事例検討
1 事例検討の役割
2 事例検討会の進め方
3 事例検討会報告書の作成方法
4 事例検討からみるスーパーバイザーの役割
5 事例検討で個別支援計画を評価する
第8章 日常場面でのスーパービジョン
1 日常場面でのスーパービジョン
2 利用者とケースワーカーの間のトラブル
3 ケースワーカー間の意見の対立
4 組織への疑問
第9章 援助過程におけるスーパービジョン
1 処遇困難ケースのスーパービジョン
2 理論から実践ではなく実践から理論へ
3 事例研究1──病識のない被保護者に対する療養指導
4 事例研究2──出産直後に遺棄された乳児と社会的養護
第Ⅲ部 スーパービジョンの展望と課題
第10章 指導監査結果からみたスーパービジョンの展開と課題
1 生活保護の運営管理
2 ケースの検討結果からみた課題
3 査察指導員によるケース検討と審査の着眼点
第11章 自立支援とソーシャルインクルージョン
1 生活保護と自立支援
2 自立支援と社会的包摂
3 自立支援への視座
第12章 実習受け入れ機関としてのスーパービジョン
1 専門職養成における福祉事務所の位置づけ
2 相談援助と実習スーパービジョン
3 実習スーパービジョンの実際
第13章 一目瞭然,早わかりフローチャート図
(1)相談から申請受理までのスーパービジョン
(2)申請受理からケース開始までのスーパービジョン
(3)稼働能力判定プログラムの実施手順
(4)就労意欲喚起等支援事業の実施手順
(5)生活保護受給者等就労支援事業の実施手順
(6)母子自立支援プログラムの実施手順
(7)高等学校等進学支援プログラムチャート
(8)稼働阻害要因がない非稼働ケースの指導指示
(9)就労収入等の収入未申告に疑義がある場合の取扱い
(10)保護の決定実施等の決定処分に対する救済
(11)保護の決定実施に関する事務以外の事務の処分に対する救済
(12)審査請求が提起された場合の主なながれ
(13)実習受け入れから終了までのながれ
おわりに
参考資料
実践者のための基本用語Ⅱ
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