創設期の厚生経済学と福祉国家
マーシャル、ピグーを中心とするケンブリッジ学派、ラスキン、ホブソンを中心とするオックスフォード派が展開した創設期の厚生経済学と福祉国家論、センに連なる非厚生主義的基礎の歴史的な解明。そして、ケインズ、べヴァリッジによる完全雇用・社会保障構想の実態を、国際共同研究の成果をもとに解き明かす試みである。
[ここがポイント]
◎ 世界的に活躍する経済学史家が系譜を解き明かす
◎ 貴重な初期の厚生経済学に対する論考
序 創設期における厚生経済学の多様性
Ⅰ ケンブリッジ学派の厚生経済学と福祉国家
1 シジウィックとケンブリッジ学派の誕生
2 マーシャルにおける厚生経済学と福祉国家
3 マーシャルにおける経済進歩と福祉国家・福祉社会
4 ピグーの道徳哲学と厚生経済学
5 ピグー厚生経済学の形成と展開
6 誰のための福祉国家?
Ⅱ オックスフォード派の厚生経済学と福祉国家
7 福祉国家の哲学的基礎
8 福祉経済学者としてのJ.A.ホブソン
9 リベラル・リフォームの経済思想
10 ウェッブ夫妻のナショナル・ミニマム論
11 ベヴァリッジの福祉社会論
終 規範的経済学の《非厚生主義》的・《非帰結主義》的基礎
索 引