不平等生成メカニズムの解明 格差・階層・公正

なぜ格差や不平等が存在するのか

現代社会においてはさまざまな分断線が生じ、それが交差することで不平等の構造は複雑な様相を呈している。本書は、現代社会の社会階層、不平等、格差の問題を具体的かつ多角的なアプローチから捉えた最新の成果である。

序　 章　社会階層と不平等（佐藤嘉倫・木村敏明）
　　　　　　――格差を生み出すメカニズム


　第Ⅰ部　さまざまな分断線――不平等の諸相

第１章　正規雇用と非正規雇用（佐藤嘉倫）
　　　　　――日本における格差問題

第２章　多民族国家の不平等（木村敏明）
　　　　　――インドネシアにおける格差問題

第３章　グローバリゼーションと社会の多元化がもたらす不平等（沼崎一郎）
　　　　　――台湾の新しい格差問題

第４章　制度が生み出す不平等（永吉希久子）
　　　　　――日本とスウェーデンの比較から

第５章　家族政策にみる不平等（下夷美幸）
　　　　　――母子世帯に焦点をあてて

第６章　移民はどのようにして成功するのか（竹中　歩・石田賢示・中室牧子）
　　　　　――在日外国人の経済的達成と日本の社会階層化

第７章　マイノリティと不平等（辻本昌弘）
　　　　　――困難を生きる技法


　　第Ⅱ部　理論的接近と提言――格差の解明と解消に向けて

第８章　制度と社会的不平等（今井　順）
　　　　　――雇用関係論からの展開

第９章　数理モデルによる不平等と主観的厚生の分析（浜田　宏）

第10章　現代日本における所得の不平等（瀧川裕貴）
　　　　　――要因の多次元性に着目して

第11章　学習能力と高校階層構造（松岡亮二）
　　　　　――教育不平等の社会学的分析

第12章　就学前児童の健康格差が教育に与える影響（中室牧子）
　　　　　――経済学的なアプローチを用いた分析

第13章　教育の地域間格差の政策科学的分析（秋永雄一・濱本真一）
　　　　　――義務教育教員の給与を事例に

第14章　不平等と公正感（川嶋伸佳・大渕憲一）

終　 章　よりよい社会を求めて（大渕憲一）

あとがき
索　引