村上春樹 読める比喩事典
村上春樹作品の魅力の一つに、独自かつ多用される比喩表現が挙げられる。本書では、主要作品から特徴的な比喩表現を抽出し、それを辿りながら作品のエッセンスも紹介する。すでに村上作品に親しんでいる読者には、きわめて圧縮された再読に似た体験を味わえ、また未読の方にとっては、格好の作品案内となる。いまや国民作家になりつつある村上春樹の作品世界。その魅力を比喩表現から味わう一冊。
〔ここがポイント〕
・村上春樹作品の比喩表現の世界を堪能する。
・『風の歌を聴け』から『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』まで、主要13作品の魅力をより深く味わえる。
第Ⅰ部 比喩 奇想への誘い
1 知る
2 作る
3 生きる
4 有る
5 遊ぶ
第Ⅱ部 比喩と小説をめぐる冒険
レクチャー1 比喩と直叙の反転――『1973年のピンボール』
レクチャー2 鼠VS羊 隠喩の闘い――『羊をめぐる冒険』
レクチャー3 小説の隠喩構造
レクチャー4 聖家族の誕生――『1Q84』
レクチャー5 名前の共同体 排除の力学――『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』
村上春樹作品一覧
おわりに
事項・作品索引