巨大災害のリスク・コミュニケーション 災害情報の新しいかたち
「情報待ち」「行政・専門家依存」はなぜ起こるのか?――長年の研究成果と最新の知見を元に、東日本大震災を経た今だからこそ求められる革新的な災害情報像を、大胆かつ体系的に提起。災害情報がもたらす逆説的な効果(「リスク・コミュニケーションのパラドックス」)について精細に概念化し、それを踏まえて、真に有効で実践的な災害情報の生産・発信・共有を試みる。
〔ここがポイント〕
・長年「災害情報論」についての研究を重ねてきた著者が、その成果を体系的にまとめている。
・他の災害情報論の本にはない独自の視点から書かれている。
第Ⅰ部 災害情報の理論
第1章 災害情報のダブル・バインド
第2章 参加を促す災害情報――マニュアル・マップ・正統的周辺参加
第3章 「安全・安心」と災害情報――「天災は安心した頃にやって来る」
第Ⅱ部 事例に見る災害情報
第4章 「津波てんでんこ」の4つの意味――重層的な災害情報
第5章 「自然と社会」を分ける災害情報――神戸市都賀川災害
第6章 みんなで作る災害情報――「満点計画学習プログラム」
第Ⅲ部 災害情報の多様性
第7章 「あのとき」を伝える災害情報――生活習慣・痕跡・モニュメント・博物館
第8章 小説と災害―〈選択〉と〈宿命〉をめぐって
第9章 テレビの中の防災――「一代の英雄」/「地上の星」/「ストイックな交歓者」
あとがき
索引