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社会福祉の定義と価値の展開 万人の主権と多様性を活かし、格差最小の共生社会へ

社会福祉の定義と価値の展開

今,福祉の論理に求められているのは,独自の深い人間観に立脚し,《主権と人権をまもり高める福祉》の原理論の提起である。

著者 加藤 博史
ジャンル 社会福祉
社会
出版年月日 2013年11月30日
ISBN 9784623067824
判型・ページ数 A5・254ページ
定価 定価4,400円(本体4,000円+税)
在庫 在庫あり
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  • 内容説明
  • 目次

福祉の定義化に挑み,価値を構造化する。そして,ルーツとフィールドを踏まえ,自己実現と生活世界の価値の立方体を提起する。


福祉の論理が、福祉政策と援助技術を中心に展開され、ノウハウの学問へと矮小化されつつある。しかし、自殺、うつ病、貧困、犯罪、虐待等の問題は、明らかに社会構造に起因する問題であり、サービス供給の調整で完結するものではない。こんにち、福祉の論理に求められているのは、独自の深い人間観(優生思想を根源的に批判できる人間観)に立脚し、広く文化・文明を問い、疎外された人と同じ目線に立って生きようとする《主権と人権をまもり高める福祉》の原理論の提起である。

序 章 社会福祉学の広がりと深さ
 1 社会福祉学の本質
 2 価値の体系とは何か
 3 幸福は魂の陶冶にあり,魂は世界全体の幸福を志向する
 4 自由とは良心にのみ従うこと
 5 社会福祉の二つの到達点
 6 本書の構成

 第Ⅰ部 社会福祉の定義と価値構造
第1章 福祉の公理,目的,目的価値,方法価値
 1 福祉の基本公理
 2 社会福祉の目的論
 3 《弱さ》そのものに価値を見出す人間観
 4 福祉的人間観と徳富蘇峰,香川豊彦の思想
 5 精神の自主性という価値と全体主義
 6 「監視・飼育社会」の変革する《自己の死後に向かってなされる公共奉仕》
 7 利他と連帯への視点
 8 共生を破壊するもの
   ――原発メルトダウンの暗喩とその克服の方向性
 9 ブリコラージュと障老病死の意味の復活

第2章 自己実現するという価値観(価値観Ⅰ-Individuality)
 1 自己実現とは何か
 2 自己実現の価値観

第3章 生活世界の再生という価値観(価値観Ⅱ-Reciprocity)
 1 社会構造の変化をどう捉えるか
 2 生活世界の再生が目指すもの

第4章 個人の尊厳と基本的人権という価値(価値観Ⅲ-Universality)
 1 個人の尊厳と多様性を活性化させる方向性
 2 マイノリティをマジョリティに同化・包摂する民衆のパワー
 3 攻撃性の止揚は周囲の人との葛藤関係の直視と受容から始まる
 4 生かされている目的と向き合うことによるマイノリティとの共生
 5 暮らしの共同性の衰退,生活世界の解体と「孤人化」
 6 多文化共生の基本的な考え方
 7 多文化共生の理念を「京都」から考える
 8 自文化とともに異文化を尊重する
 9 在日コリアン自身に取り込まれた偏見
 10 在日コリアンと日本人住民との意識のズレ
 11 ヒューマン・ベーシック・ニーズを取り戻していく過程
 12 異質なものを活かしてつなぐ協働作業の仕掛けを

第5章 なぜ貧困を問うのか――野宿者への応答
 1 競争至上主義の社会の犠牲の象徴
 2 精神障碍のある人の多さ
 3 生活の安定を前提とし,楽しみの一環としての働き支援
 4 野宿者の実態とその脱出
 5 野宿からの脱出――Q氏の事例
 6 野宿からの脱出――Z氏の事例
 7 ホームレスの人生の語り部としてのソーシャルワーカー
 8 学生の野宿者に関するアンケートから
 9 葛藤,弱さ,時間,含意を愉しむ社会像
 10 人格,愛,正義を希求する人間像
 11 悲哀,苦悩,挫折の仕事
 12 貧困と差別にある人を視座の中央に
 13 インクルージョンを担う学生たちの教育の指標

第6章 福祉の価値観の背景にあるエートス
 1 人類的な「意味の解読コード」とソーシャルワーカーの思想
 2 内なる罪や悪の覚知
 3 迷い,疑い,批判を抱き,にもかかわらず信ずる
 4 自己は諸関係の全体,エゴを客観視できる自己を持つ
 5 偽善,英雄気分を怖れよう
 6 「縁」という相関関係と,自分のものではない「はからい」を活かす
 7 生命への愛を活性化し自己愛を超える

第7章 福祉の基本理念の定義
 1 人権思想(thought of human rights)
 2 生存権(right to live[life])
 3 幸福追求権(right to the pursuit of happiness)
 4 自 立(independence)
 5 自 由(freedom : liberty)
 6 愛他主義(altruism)
 7 ノーマライゼーション(normlization)
 8 敬老思想(thought of respect for the aged people)
 9 社会的平等(social equality)
 10 社会的正義(social justice)
 11 社会的公平(social fairness)

 第Ⅱ部 社会福祉の価値と思想の展開
第8章 社会福祉の対象論・関係論
 1 被抑圧者と切り結んで生きる
 2 可謬性の世界で悩み挫折し探索する人間像
 3 榎本貴志雄の社会事業と思想

第9章 社会福祉における義と愛――ローザ・ルクセンブルクに学ぶ
 1 ストラスブール大学の歌
 2 ハイデッガーの貧困の定義
 3 住谷とローザ・ルクセンブルク
 4 ルクセンブルクの人格形成
 5 ルクセンブルクの感性
 6 ルクセンブルクの思想
 7 自他の悲しみを経験する力
 8 共生は説くものではない
 9 義にうらづけられた愛という生きる目的

第10章 思想としての社会福祉
 1 人間性への洞察と権力批判
 2 抑圧者に対する抵抗としての人権
 3 生活のトータリティを問う
 4 小倉襄二の仕事
 5 ヴァルネラビリティからの阿部志郎の発信
 6 社会正義とは何か
 7 右田紀久惠の福祉哲学
 8 病いの意味と言説の資源
 9 疎外の自覚と抵抗する主体形成
 10 管理される障碍のある人と福祉労働者
 11 多文化共生の社会とは
 12 「被抑圧者の教育学」の新訳
 13 孝橋正一の理論の再評価
 14 社会福祉の閉鎖系化への批判
 15 心を内壊させる現代社会の病理
 16 福祉思想の真偽を試す《緩慢な戦時》

第11章 社会福祉のフィールドとルーツ
 1 根源的弱さに向き合う福祉思想
 2 生活世界の再生に関わる福祉思想
 3 インクルージョンと湯浅,宮本,齋藤らの社会福祉理論
 4 池田敬正の仕事
 5 関家新助の社会福祉哲学
 6 古川孝順の仕事
 7 疎外された人と共に生きた福祉の先達と“臨床の知”
 8 戦争的なるものと異類愛
 9 宗教の意味と機能の再評価

おわりに――社会福祉独自の社会観,人間観,共生観
索 引

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