国立競技場の100年 明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ
2020年の東京オリンピックの開催が決まり、そのメイン・スタジアムとして全面改築が決定した国立競技場。その前身である明治神宮外苑競技場の歩みは、100年前の明治神宮造営に遡る。当時、最新の設計思想に基づいて建設された競技場では様々なスポーツ・イベントが開催されるとともに、戦時中には軍国主義の荒波に翻弄され、この場所では雨中の出陣学徒壮行会も行われた。戦後は占領軍の接収を経て国立競技場として生まれ変わり、1964年の東京オリンピックの舞台となった。激動の日本近現代史の舞台となった競技場。国立競技場はどのように生まれ変わり、その後、どのような歴史を辿っていくのか……。サッカージャーナリストの第一人者が問いかける力作、ついに刊行。
[ここがポイント]
◎ サッカージャーナリストの第一人者が巨大スタジアムから日本スポーツ史を読み解く。
◎ 東京でのオリンピックは何を意味するのか? 2020年に向け、国立競技場はどう変わるのか?
1 明治神宮造営への道
2 関東大震災と神宮外苑の造営
第2章 最新の設計思想に基づいた
明治神宮外苑競技場
1 スタジアム建設の歴史
2 東の神宮、西の甲子園
3 明治神宮外苑競技場の設計思想
第3章 明治神宮大会の開催と
1920年代の日本のスポーツ
1 明治神宮競技大会とはどんな大会だったのか?
2 1920年代日本のスポーツを巡る諸問題
3 1934年の外苑競技場
第4章 外苑競技場での国際大会、そして幻の東京オリンピック
1 極東選手権大会の歴史と日本のスポーツ
2 明治神宮外苑を舞台とした国際交流
3 幻の東京オリンピックへの道
第5章 戦中・戦後の明治神宮外苑と日本のスポーツ
1 明治神宮大会の変質
2 戦時体制強化と明治神宮大会の変質
3 戦中、戦後の神宮外苑
第6章 復興の槌音——国立競技場の建設
1 国際社会への復帰とアジア大会の招致
2 明治神宮外苑競技場の解体と新競技場の建設
3 混乱もあったアジア大会の開催
第7章 東京オリンピックの開催
1 東京オリンピック招致と国立競技場の拡充
2 インフラ整備で、東京の近代化を推進
3 日本が待ち望んだ東京オリンピックの開催
第8章 「企業アマ」からクラブスポーツへ
1 サッカー、ラグビーで沸いた国立の半世紀
2 数次の改修で近代化されていく国立競技場
3 Jリーグの発足と日本スポーツの新時代
終 章 2020年オリンピック開催と国立競技場の将来
あとがき
参考文献/国立競技場年表/人名・事項索引