統合広告論[改訂版] 実践秩序へのアプローチ
広告が作動する、とはどのような仕組みなのか
情報論とブランド論に立脚した21世紀広告の決定的定礎、「事例、社会問題、公共性」についての待望の改訂。
[ここがポイント]
◎ これ一冊で広告論の全体像がわかる
◎ 事例を豊富に掲載
改訂版にあたって
第1章 広告の構造
⑴広告とは何か
⑵IMCの一側面
⑶広告が非物理的であるという認識
⑷広告の構造についての議論の精緻化
⑸IMCマネジメントへのインプリケーション
⑹示唆の確認
第2章 広告効果
1 IMC効果論に向けて
⑴もし広告効果と言わなくなった日には……
⑵エピソードとしての「マーク」
⑶エピソードとしての「受け手の能動性」
⑷解題の視点としての図式的考察
⑸森を見ること,気を見ること
2 購買時点におけるニーズ
――生起する購買「モード」という一視点から見る広告効果
⑴購買経験・購買の場における「行間」
⑵古くて新しい「行間」の説得力
⑶広告効果に「行間」を位置づける
⑷「行間」の仮設によって再認識される広告効果の一側面
3 レファレンスのダイナミズム
⑴マス・コミュニケーションの影響研究と広告効果研究の非同期
⑵広告の利用と満足
⑶レファレンスのダイナミズム
⑷効果の認識が決定するアカウントプランニングとコミュニケーション・デザイン
4 インテグレーションモデル
⑴既存研究や実務との関係
⑵広告効果の枠組みの拡大
⑶広告計画ツールとしてのインテグレーションモデルの理解
⑷実践,専門,イニシアティブ
5 「反応」が拓く新しい広告効果の側面
⑴受け身の広告効果は半分しか扱っていなかった
⑵反応とはしいて言うと「涎(よだれ)」である
⑶「かわいい」と思った「反応(よだれ)」の事例
⑷「反応」をいかに取り出すのか
⑸実務上の取り扱い
6 広告とブランド
⑴ココロを動かすことがブランド
⑵NHK「プロジェクトX」という番組
⑶ワールド・カップというスポーツ・イベント
⑷感情――外部から来るもの
⑸感情――隠された「広告効果」
⑹「感情労働」という視点
⑺結論とインプリケーション
第3章 広告の計画
1 広告計画の混乱とアドバタイジング・ブリーフ
⑴「広告計画」という言葉の生成
――1960年代
⑵焦点づけられにくかった「広告計画」
――1960年代日本での認識
⑶「広告計画」に関する認識の系譜
――1960年代のアメリカの事例から
⑷1960年代の「広告計画」概念の枠組み
⑸1970年代のシステム化と努力の分散
⑹1980年代以降の消費者行動研究との出会い
⑺1990年代になって初めて登場したIMC
⑻広告計画の混乱
⑼アドバタジング・ブリーフ
2 マーケティング計画とIMC計画
⑴プロモーション概念とその認識変化
⑵IMC計画の論点
⑶なぜ「統合」か
3 広告予算の理論と論理
⑴広告費が多ければ効果がもっとあがるのか
⑵文献レビュー
⑶マーケットシェアと広告費シェアに関する統計観察
⑷広告費用の異なる三つの効き方
第4章 広告表現
1 広告表現への諸学からの接近
⑴複雑・あいまい,だからと言って無視しえない広告表現の研究
⑵本節の論点
――創造,新しさへの論理探索
⑶見出される「隠された広告効果」
――新しい知識の結びつき
⑷受け手の「能動性」
――情報消費社会の基本認識
⑸脱構築の記号論
――ズレが生成する新たな解釈コード
⑹フレームとメッセージの交錯
――演出要素それ自体の役割
⑺ズレが引き込もうとするもの
――異人性・外部性としての広告
⑻広告は誰のものか
――広告における公共性と倫理
⑼脱構築の広告研究の深化に向けて
――広告研究展望への姿勢
2 広告表現とインテグレーションモデル
⑴広告表現計画
⑵AIDMAを前提とする広告効果
⑶インテグレーションモデルを前提とする広告表現計画
第5章 広告の社会性
1 広告はどのような社会問題と認識されているのか
――3つのビッグ・テキスト・データベースの三角測量から
⑴「広告と社会」をいかに可視化するか
⑵作業の概要
⑶NDL-OPACの観察と結果
⑷国民生活センター相談データベース「PIO-NET」の観察
⑸朝日新聞社記事データベース『聞藏Ⅱ』1985〜2010年の26年分の観察
⑹考察と結語
2 広告の公共性
――共視・共感・共同性というマス広告
環境維持責任の観点から
⑴広告の公共性とは何か
⑵広告の生気
⑶共視
⑷共感
⑸共同性
⑹「マス広告の公共性」の揺らぎと対処
⑺広告を生かすのも殺すのも送り手の見識
おわりに
参考文献
事項索引