戦国史を歩んだ道
浅井氏、今川氏、後北条氏をはじめ、戦国史研究の第一人者として知られる小和田哲男。各地に残る史料を博捜し、従来の通説を問いなおす一方、歴史の面白さを広く一般に伝える姿勢はどのように培われたのか。本書では、歴史への興味を抱いた少年時代から、全国各地の城めぐりを始めた大学時代、そして従来は低調であった戦国史研究の専門家となった経緯までを、多彩なエピソードと共に語る。
[ここがポイント]
・城、武将、合戦などの戦国史研究にどのように取り組んできたか。
・歴史の面白さに目覚めた少年時代、全国各地の城巡り䌂を始めた学生時代、そして研究者としての足跡を、多彩なエピソードとともに語る。
第一章 歴史にのめり込んだ少年時代
1 静岡生まれの東京育ち
2 「歴史家になりたい」と決意した中学時代
3 高校で歴史への興味がさらに高まる
第二章 歴史学の本質を学ぶ
――学部時代
1 早稲田大学教育学部に入学
2 学生歴史学研究会中世史部会
3 全国の城めぐりを始める
4 全精力を注ぎ込んだ卒業論文
第三章 研究者の卵として
——大学院時代
1 古文書学の醍醐味を知る
2 助野ゼミでの後輩の指導
3 修士論文は近江浅井氏
4 学会での研究発表と論文の投稿
5 博士課程に進み後北条氏研究に参入
第四章 静岡大学で教壇に立つ
1 博士課程修了後の一年間は豊島区史編纂室
2 静岡大学教育学部講師となる
3 教授そして学部長・附属図書館長へ
4 県内市町村史の編纂と地域史研究
第五章 城館跡の保存と整備
1 今川館跡保存運動をおこす
2 国史跡の城館跡の調査・ 整備委員会に加わる
3 掛川城天守の復元に携わる
4 城館跡普及の活動
第六章 歴史の面白さをもっと伝えたい
1 テレビ番組への出演
2 NHK大河ドラマの時代考証
3 作家への資料提供など
4 まんが・ゲームの監修
第七章 戦国史研究の要諦と私の研究法
1 敗者および弱者へのまなざし
2 通説を疑う懐疑史学のすすめ
3 戦国史と女性史のドッキング
4 歩く歴史学を実践
5 研究成果の社会的還元
あとがき
小和田哲男略年譜
小和田哲男著作一覧
人名索引