堀河天皇吟抄 院政期の雅と趣
白河天皇の皇子として生まれ、八歳で父より譲位された堀河天皇。病がちで身体の弱い一面をもっていたが、父白河院が敷いた院政期にあって独自の手腕を発揮し「末代の賢王」とされた。また絃管の名手として知られ、歌詠、野遊などを好み、芸能を愛した。堀河天皇に関する史料が少ないなか、この知られざる天皇に平安朝史の第一人者が迫る。
[ここがポイント]
◎ 院政初期の知られざる天皇に関する貴重な論考。
◎ 芸能に秀でた堀河天皇の雅と趣を少ない資料からも解き明かす。
凡 例
序 章 雅と趣の天皇
第一章 生い立ちと藤原苡子の入内
1 誕生、わずか八歳で帝位に
2 政治の後見としての摂関
3 天皇の妃
第二章 天皇と芸能
1 災異のなかで
2 田楽の興
第三章 藤原師通の死
1 後見を失う
2 京・白河の誕生
第四章 手腕を発揮する公務と長引く病
1 宮廷と行幸
2 天皇の病
第五章 早すぎる最期
1 病のなかの奏楽と和歌
2 悲泣のなかの崩御
あとがき
人名索引