農業問題の基層とはなにか いのちと文化としての農業
いま、日本の農業を取り巻く問題とはいかなるものか。
本書は、研究者、実務家、ジャーナリストという多彩な執筆陣がユニークな視座に立ち、理論と実践の両面から解説するとともに、世界の多様な事例に照らし、農業の過去・現在・未来を考える。
[ここがポイント]
◎一般読者向けに、現代農業の基本問題を考える上でおさえておくべき視点を、わかりやすく、しかも表面的な解説に終わらず、深く解説する。
第1章 文化としての農業を考える(末原達郎)
——社会の大転換期に
1 食から社会を考える
2 農耕の誕生
3 日本農業の重要性
4 工業社会における農業の変質
5 農業をめぐるさまざまな視点
6 21世紀の生活をデザインする
第2章 農業とはそもそも何であったのか(佐藤洋一郎)
——アグロフォレストリ、焼畑、水田漁撈が語るもの
1 「遅れた農業」への再評価
2 農耕を支えた森林——アグロフォレストリの考え方
3 焼畑農業を考える
4 米と魚——共存と循環
5 農業における「循環」の意味
第3章 日本農業の地平線はどこへ(岡本信一)
——農業への基本的誤解を解く
1 大変化期の農業をコンサルタントとして見る
2 私の農業へのきっかけ
3 農産物の「安全・安心・おいしい」を検証する
4 日本農業の未来
第4章 日本農業の未来を世界から考える(山田 優)
——ジャーナリズムからの報告
1 ニューヨークとキエフで見たもの
2 食料高騰と政治
3 進む地産地消
索 引