在宅におけるエンドオブライフ・ケア 看護職が知っておくべき基礎知識
在宅での死は、本人の希望・政策どちらの面からみても、今後増えていくと予想される。本書は在宅死を支える様々な専門職のうち、重要な職種のひとつである看護師が知っておくべきことを、わかりやすい説明と豊富な図やイラストで説明する。終末期の各段階別にするべきことを明確に整理して提示する。
[ここがポイント]
◎ 増え続ける在宅での死に対するケアの基礎知識が学べる。
◎ 在宅での死に対するケアにおいて中心となる看護職に必要な知識を精選。
第Ⅰ部 エンドオブライフ・ケアとは何か
第1章 エンドオブライフ・ケアの理念・目的・倫理
1 エンドオブライフ・ケアの定義と倫理
2 アドバンス・ケア・プランニングの概念と関連用語
3 倫理的意思決定をファシリテートする看護師の役割
第2章 訪問看護およびチームケアを含む関連制度と費用
1 わが国が在宅エンドオブライフ・ケアを進めてきた経緯
2 訪問看護等関連サービスへの報酬と利用料
第3章 病院や施設から在宅への移行における支援
1 病院や施設から在宅への移行が重視される背景
2 在宅ケア移行における利用者・家族の意思決定支援
3 病院施設での準備・退院・退所調整
4 在宅ケア開始期のケア計画と実施上の留意事項
第4章 エンドオブライフを予測する医学的判断と本人・家族への説明
1 エンドオブライフを予測する医学的判断
2 死亡時の診断と診断書
第5章 在宅エンドオブライフ・ケアのケアパス
1 在宅エンドオブライフ・ケアパスの枠組み
2 期間別ニーズの変化とケアの特徴
3 エンドオブライフのケアパスの使用方法
第Ⅱ部 エンドオブライフ・ケアの実際
第6章 在宅でのエンドオブライフにおける基本的生活ニーズとケア
1 日常生活動作のニーズとケア
2 生活援助
3 口腔ケア
第7章 各症状に対する安楽を図るケア
1 在宅での痛みのマネジメント
2 呼吸器・嚥下障害のケア
3 諸症状へのケア
4 皮膚トラブル・褥瘡ケア
5 栄養低下・脱水のケア
6 排泄のケア
第8章 在宅エンドオブライフ・ケアに用いる薬剤
1 がんの痛みに対して用いる頻度が高い薬剤
2 がん性疼痛以外の症状に対して用いる頻度が高い薬剤
3 在宅での薬剤使用の特殊性と注意点
第9章 在宅エンドオブライフにおける心理・精神的ケア
1 心理・精神的ケアに用いる理論とエンド・ケアへの活用
2 エンドオブライフ・ケアにおける心理・精神症状
3 エンド・ケアとスピリチュアル・ケア
第10章 精神障害をもつ人のエンドオブライフのニーズとケア
1 認知症の人へのケア
2 統合失調症をもつ人へのケア
第11章 子どものエンドオブライフのニーズとケア
1 子どものエンドオブライフ・ケアの制度と体制
2 子どもの心身のニーズ
3 子どもが死を迎える親ときょうだいのケア
4 子どもの死別グリーフケア
5 親が死を迎える子どもと親のケア
6 事例からみた子どものエンド・ケア
第12章 青年・壮年者のエンドオブライフのニーズとケア
1 青年・壮年者のエンドオブライフ・ケアの制度のケア体制
2 事例からみた壮年期のエンド・ケア
3 告知やコミュニケーションの方法
第Ⅲ部 これからのエンドオブライフ・ケア
第13章 家族・親族が抱える問題とケア
1 家族ケアで必要とされる経過時期別のニーズ
2 家族ケアで必要とされる関係調整とケアの特徴
3 家族の満足度を高める在宅エンド・ケア
4 エンド期の療養者を支える家族ケアの実践例
第14章 緊急ニーズとケア
1 エンド期の緊急ニーズとは
2 緊急時に対応する制度
3 日常的な緊急ニーズの発生
4 エンド・ケアの緊急ニーズの発生予防
第15章 災害に伴う病状悪化とグリーフケア
1 災害に伴う病状悪化の特徴
2 災害時のグリーフケア
第16章 死別前後の特徴的なケア
1 デスマネジメント
2 エンゼルケアとグリーフケア
第17章 在宅でのエンドオブライフ・ケアを支えるシステム
1 医療における医師の指示と看護独自の判断および行動責任
2 看護職と介護職およびケアマネジャー等との協働
3 医療機器・機材・衛生材料の準備と在宅での使用上の留意点
第18章 エンドオブライフ・ケアのアウトカム評価と費用対効果
1 エンドオブライフ・ケアのアウトカム評価方法
2 エンドオブライフにおける費用対効果と訪問看護ステーションの課題
3 訪問看護ステーション事例におけるエンド・ケアの費用対効果
第19章 諸外国の在宅エンドオブライフ・ケアの研究動向
1 在宅エンドオブライフ・ケアの国際研究動向と課題
2 アメリカにおける在宅エンド・ケア
おわりに
さくいん