今どきコトバ事情 現代社会学単語帳
コトバはつねに変化している。新しいコトバが生まれ、古いコトバは忘れられる。この移り変わりや多様性こそが社会の「いま」をよく表している。本書では現代ニッポンの社会あるいは文化について、近年よく用いられるコトバを55とりあげ、その起源や由来、流通の過程、類語との関係などをわかりやすく、またおもしろく解説する。
コトバの起源や変化を知り、社会を解読する楽しさを味わえる一冊。
[ここがポイント]
◎ 1コトバ4頁の読み切り型。
◎ 各項目毎におすすめ文献をあげ、より詳しく知りたい人に応える。
◎ コトバの広がりを感じとれるよう巻末に索引を収録。
1 若者・世代
アイドル――誰のために存在してきたのか
アラサー――女ざかりからの逃走
オタク――成熟社会のロールモデルの一つへ
キャラ――「空気」の中を生き抜く作法
終 活――「自分らしい」人生の終わりを求めて
スクールカースト――「スーパーフラット化」する若者世界
ファストファッション――格安のデモクラシー
ゆとり世代――「自己管理」を他者に管理される矛盾
2 メディア・ネット
炎 上――匿名社会が生む「ネット・イベント」
ガラケー――島に生まれ、島に帰る
ググる――気前のいい検索者たち
クレーマー――お客さまは、カミサマですか?
ソーシャルメディア――社交と孤独の世界
ネトウヨ――悪意の共同遊戯
ビッグデータ――ゴミ情報の貝塚を掘る
3 恋愛・結婚・家族
イクメン――父親になろうとしている人
LGBT――誰がそこに含まれるのか
婚 活――自由化の罠
さずかり婚――古くて新しい結婚のかたち
ストーカー――感情の不均衡
草食系――意味の広がりと恋愛の押しつけ
DV――「親しき仲」にも虐待あり
ペットロス――親の死より悲しい
4 仕 事
自宅警備員――「ニート」って言わないで
就 活――学校行事のごとく
宅 配――骨壺から人間関係まで
派 遣――昔の光、今いずこ
パワハラ――力の乱反射
ブラック企業――ポエムとともに
プレゼン――大事なことは別の日に
ワーク・ライフ・バランス――生の支援、そして介入
5 つながり
居場所――リスク化する社会の拠り所
おひとりさま――「究極の女磨き」は何処へ?
下 流――貧困か、生活スタイルか
逆ギレ――不快感情の暴発
孤独死――かすかなほほ笑みとともに
コミュ力――正体のない能力
つっこみ――玄人芸と素人評論
無縁社会――個人化の極北
6 食・健康
除 菌――見えぬがゆえに
食 育――基本は家庭の食卓にあり
食材偽装――不可避の「被害妄想」
新型うつ――深まる承認不安の果て
シンドローム――メッセージ化する疾患概念
認認介護――大介護時代に
ミシュラン――万国総グルメの味覚社会
メンタル――コントロールされる心
7 環境・災害
異常気象――季節を選ばない時候の挨拶
絆――団結と分裂
グローカル――グローバルとローカルを乗り越える?
里 山――持続可能な本来の森って?
想定外――合理性の“先”を生きる
風評被害――消費者の過剰な自己防衛
ボランティア――地域と家庭の無力
リスク社会――セキュリティと排除
人名・事項索引