親鸞 主上臣下、法に背く
親鸞(1173~1262年)浄土真宗の開祖。
法然の専修念仏に帰依し、弾圧に抵抗して、独自の信仰と思想を展開させた、日本で最も親しまれている仏教者。本書では通説を批判しながら、『教行信証』などに見える思想とその人物像を新しい目で解明する。
[ここがポイント]
◎ 事績がほとんど分からない親鸞だが、『教行信証』などの史料は比較的多く、そこに見られる思想から人物像を明らかにする。
◎ 浄土真宗の開祖を、日本宗教史の第一人者が明らかにする。
第一章 親鸞と鎌倉仏教
1 中世仏教観の展開
2 親鸞の近代
3 中世仏教への新しい視座
4 浄土教の展開と法然
5 親鸞への新しい視座
第二章 若き親鸞
1 誕 生
2 出家・修学
3 六角堂の夢告と結婚
4 法然の門下で
第三章 思想の成熟
1 愚禿の自覚
2 東国移住と『教行信証』
3 『教行信証』の体系
4 往相・還相の構造と菩薩
5 行と信
6 自力と他力――化身土巻の弁証法
第四章 晩年の親鸞
1 京都の親鸞
2 『教行信証』から和讃へ
3 和讃に見る晩年の思想
4 消息と関東の門人たち
第五章 伝承と物語の形成
1 親鸞の後継者たち
2 恵信尼消息の親鸞像
3 『歎異抄』と悪人論
4 『親鸞聖人伝絵』(『御伝鈔』)の親鸞像
終 章 親鸞をどう読み直すか
主要参考文献
関係資料
あとがき
親鸞年譜
事項索引
人名・神仏名索引