はい。赤ちゃん相談室、田尻です。 こうのとりのゆりかご・24時間SOS赤ちゃん電話相談室の現場
2007年5月、「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」の運用が熊本ではじまった。この現場にいて考えたことを伝えたいという思いから本書は生まれた。長年の看護師・助産師・保健師としての経験をふまえ、開設からの八年間にかかわった「かけがえのない生命」についての思いをつづる。本書を、妊娠・子育てに悩む人をはじめ、その周りの人々を含めた若い人たちが考えるきっかけとしてほしい。
[ここがポイント]
◎ 福祉と医療の現場から、命の大切さを若い人たちに伝えるノンフィクションシリーズ第1弾。
◎ ドラマのモデルにもなった「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」の誕生から運用にかかわった著者の思いが詰まった一冊。
第1章 家族がいることのよろこび
産めよ育てよの時代
看護婦への道のスタート
若きドクターとの出会い
結婚そして子育てしながらの勤務
公務員の保健婦として大活躍
菊水町立病院の総婦長に就任
仕事をしながら大学の単位を取得
再び慈恵病院に戻って
児童養護施設シオン園での経験から
第2章 「こうのとりのゆりかご」の誕生
ベビークラッペ——ドイツの赤ちゃんポスト
ドイツの妊婦支援の現状と胎児の人権
「こうのとりのゆりかご」の構想から設置まで
最初に預けられた命
「こうのとりのゆりかご」論争
第3章 「こうのとりのゆりかご」の仕組み
「こうのとりのゆりかご」の扉
「こうのとりのゆりかご」の利用件数
8年間で救えた112人の赤ちゃんたちは?
児童虐待の増加と「こうのとりのゆりかご」
第4章 「SOS電話」が受けとめる!
預けられる赤ちゃんは減ったけれど
「SOS電話」の相談内容
緊急の相談も
妊娠相談の重要性
24時間フリーダイヤルが理想
相談者には若い人が多い
相談者は中学生から
相談内容で多いのは?
機能していない相談窓口もある!
児童虐待に関する電話相談
電話相談が急増する背景
第5章 すべての子どもたちに幸福を
児童憲章はあるけれど……
児童養護施設出身者に支援の手を
第6章 「命のバトン」をつなぐ
私の考える「命のバトン」とは
1対1でふれあう大切さ
尊い命を大切にしたい
「こうのとりのゆりかご」のいらない社会へ
あとがきにかえて――現在の思い
資料編 用語・キーワード解説
さくいん
編集後記