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現場から創る社会学理論 思考と方法

現場から創る社会学理論

環境問題、少子高齢化、宗教、若者、都市的文化…現場から﹁社会学する﹂意義と面白さがわかる。

著者 鳥越 皓之 編著
金子 勇 編著
ジャンル 社会
出版年月日 2017年01月20日
ISBN 9784623078196
判型・ページ数 A5・258ページ
定価 本体2,800円+税
在庫 在庫あり
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  • 目次

現場から理論を創りあげる思考と方法が明快に説かれた参考書。標準的調査法を学んだあと、独自の調査に基づいた観察事実をどう理論化するのか。そこでの工夫とは何か。全篇で、各方面で活躍する多様な属性の研究者が、長年の調査体験からの理論形成の秘訣を明らかにした。これは社会調査方法論を超えた「社会学する」本である。現場で研究する苦労と面白さが語られており、現代社会で「社会学する」の意味と意義が分かる。

 

[ここがポイント]
◎ 社会調査から理論にまで持っていくのはどのような経路を辿るのか。
◎ 第一線の社会学者たちが、自らの経験をもとに語る。

はしがき——フィールドからどんな理論が生まれるのか

 第Ⅰ部 時代・社会を読み解く理論
第1章 どんな魅力ある理論を形成できるか(鳥越皓之)
   日本で発達したモノグラフ手法
   自然と人間との関係
   川内村での原発対応
   自分たちは土地をまかされている
   自分たちにとっての自然とは
   最も影響を受けた研究者 有賀喜左衛門

第2章 高齢社会の健康長寿研究(金子 勇)
   沖縄県の健康文化の個性
   長野県の健康文化の普遍性
   「ぴんぴんころり」(PPK)運動
   「保健補導員」制度
   社会調査の力
   家族が健在
   観察された事実から
   最も影響を受けた研究者 高田保馬
 コラム1 音楽社会学が生涯学習のテーマ(金子 勇)

第3章 民族関係のリアリティを求めて(谷 富夫)
   リアルな社会関係
   道徳社会学としての民族関係論
   中範囲の理論化
   民族関係の「剥奪仮説」
   世代間生活史調査と「バイパス仮説」
   最も影響を受けた研究者 鈴木 広

第4章 カルト問題と宗教社会学(櫻井義秀)
   カルト問題とは何か
   カルト問題研究事始め
   統一教会の調査
   トライアンギュレーションによる調査法の革新
   統一教会からのリアクション
   カルト問題と公共性
   最も影響を受けた研究者 ロバート・N・ベラー
 コラム2 フィールド調査の力——炭都夕張から高齢過疎地夕張へ(笹谷春美)

第5章 被害の社会的認知論——自然の共同性と公害被害の全体性(関 礼子)
   被害の社会的認知論
   個から出発する被害構造論
   未認定患者と差別・偏見
   誰が差別するのか
   地域を母数として被害をみる
   半強制的な自然との「分断」から始まる地域の被害構造
   最も影響を受けた研究者 G・H・ミード

第6章 若者研究の展開——家族・仕事・社会的包摂への統合的アプローチへ(宮本みち子)
   〈長期化する親への依存〉への着目
   就労困難な若者への支援開始と研究の展開
   貧困・社会的排除の若者を把握する方法論
   若者移行政策を構想する
   諸問題への挑戦に終わりはない
   最も影響を受けた研究者 ステファニー・クーンツ

第7章 鳥獣害の社会学(牧野厚史)
   鳥獣害と社会学
   山野の鳥獣による「害」とは
   「害」への対策と農山村の人々
   「害鳥」と共存する村
   最も影響を受けた研究者 鳥越皓之
 コラム3 次現場からの社会学——TPPと「小農学会」(徳野貞雄)

 第Ⅱ部 社会理論の方法
第8章 身近な世界のエスノグラフィ―—「ありのまま」の日常を描く技芸と倫理(川端浩平)
   身近な世界を記述する
   「知ってるつもり」を学び直す技芸
   「ありのまま」を描き出すこと
   現場における感受性の交換
   エスノグラフィの記述における技芸と倫理
   最も影響を受けた研究者 保苅 実

第9章 記録筆記法による「痛み温存」論と震災メメントモリ―—東日本大震災の被災者はなぜカウンセリングに行かないのか(金菱 清)
   痛みの温存
   負けから始める災害調査
   調査者と被調査者の捉え方のズレから見えてきたもの
   記録筆記法によるヒーリング効果——あえて被災経験を書き記す意味
   「痛み温存」論——カウンセリングと記録筆記法の違い
   震災メメントモリ——死者との回路をつなぐ
   最も影響を受けた研究者 鳥越皓之

第10章 「アマの領域」のモノグラフ的探究(武田尚子)
   山あいの集落にて——ムラ・ノラ・ヤマ  風と神と雨飾山
   ムラ・ノラ・ハラのコミュニケーション
   第四の領域——「アマ」
   「アマ」と「ムラ・ノラ・ヤマ」のコミュニケーション
   最も影響を受けた研究者 中野 卓
 コラム4 「眼」の形成のフィールドワーク(石岡丈昇)

第11章 生きざまの社会理論——ある地域の頼母子講の事例から(足立重和)
   フィールドワーカーにとって理論とは何だろうか
   頼母子講とは
   実際のX町での頼母子講
   真偽を宙吊りにするセリの遊び
   偽装としての遊び
   生きざまの社会理論へ
   最も影響を受けた研究者 メルヴィン・ポルナー

第12章 想像力と社会学理論——マンガメディアから出発して(荻野昌弘)
   漫画家の「フィールドワーク」
   マンガからテレビ映像へ
   根拠がない世界
   虚実皮膜
   私の赤羽フィールドワーク
   戦後の都市空間の生産
   零度のメニュー  現場の想像力
   最も影響を受けた研究者 ジャン・ボードリヤール

第13章 比較から生まれる新たな知見(土井隆義)
   南条あやのウェブ日記
   高野悦子の『二十歳の原点』
   人間関係に対する満足感
   人間関係に対する不安感
   最も影響を受けた研究者 H・S・ベッカー
 コラム5 ロマンティック社会学批判を超えて(山北輝裕)

 第Ⅲ部 個人・身体をめぐる理論
第14章 「私」というフィールド(奥村 隆)
   私はフィールドを持たない
   「私」というフィールド
   思いやりとかげぐちの体系としての「私」
   もう一つの「フィールド」
   吉田文五郎のコミュニケーション
   社会学者たちの「私」と読み手の「私」をつなぐ
   最も影響を受けた研究者 千葉大学の社会学者たち

第15章 「分からない」と「分かった」を往復する―—「ひきこもり」の調査研究から見えたこと(石川良子)
   「ひきこもり」をどう捉えるか
   「ひきこもり」の当事者とは誰か
   分からないことが分かる
   後期近代における存在論的不安と「ひきこもり」
   「ひきこもり」を理解するための視点の生成——ふたたび“分からない”へ
   最も影響を受けた研究者 江原由美子

第16章 同性愛者のライフヒストリーとともに分析方法を探す―—人々の経験をかたちづくるものの解明に向けて(杉浦郁子)
   同性愛者のライフヒストリー
   データがあっても分析ができない
   データを事実として扱えない
   きっかけとなったケース
   ある人物を「理解」する方法への着目
   常識や規範を扱う手つき
   「社会学的な分析とは」への一つの回答
   最も影響を受けた研究者 掛札悠子
 コラム6 ライフストーリー(桜井 厚)

第17章 「言葉」はあてにならない―—映像、自分語り、統計と「身体」の問題(阿部真大)
   雄弁な言葉と壊れる身体
   「自己実現系ワーカホリック」を伝えることの困難
   「居酒屋甲子園」の見せ方
   『搾取される若者たち』と『煙か土か食い物』
   「痛み」にフォーカスする
   統計と「身体」
   繰り返し伝えること
   最も影響を受けた研究者 佐藤良明、柴田元幸

第18章 想起の調査から想起の社会理論へ―—記憶のフィールドワークから得たもの(福永真弓)
   場所を取り戻すために
   「スカ」という記憶の空間
   場所に宿る記憶、贈与としての記憶
   記憶の贈与と場所  記憶のフィールドワークへ
   最も影響を受けた研究者 嘉田由紀子
 コラム7 都市的生活様式と生活構造(森岡清志)

あとがき
事項索引
人名索引

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