薬害エイズで逝った兄弟 12歳・命の輝き
1980年代、血友病の患者に投与された非加熱血液製剤が、HIVへの感染を招いた「薬害エイズ」問題。この薬害エイズにより、ともに12歳で亡くなった二人の兄弟がいた。当時、二人の遺族に取材したルポルタージュの復刊。2016年には、遺族・被害者と国・製薬会社の裁判の和解が成立してから20年の節目をむかえた。この20年で薬害はどのような歩みをたどったのか、悲劇を繰り返さないためにはどうすればよいか、考えるきっかけとしてほしい。
[ここがポイント]
◎ 読売新聞記者の丁寧な取材によるルポルタージュ。
◎ 薬害エイズ裁判の和解が成立してから20年の節目。
◎ 最新の事項を盛りこんだ薬害エイズ関連年表を収録。
◎ 当初から薬害エイズに関心を寄せてきたジャーナリスト・櫻井よしこ氏による寄稿。
はじめに
悲しみをのりこえて……(ジャーナリスト 櫻井よしこ)
第一章 遺作展
兄弟合作
命の輝き
第二章 誕生
広太
健
第三章 運命
血友病
報道
信友会
第四章 感染
検査
医科研
第五章兄弟
笑顔の広太
【広太の世界】
兄を慕う健
【健の世界】
【兄弟・家族】
第六章 広太の死
「お母さん……」
兄の死
第七章 闘病
冒険
インドへ
告知
一心不乱
第八章 健の死
新居
生命のともしび
帰宅
第九章 決意
語る
周囲の反応
第十章 責任
質問状
モラル
未提訴
第十一章 偲ぶ会
遺稿集
証
第十二章 出発
生と死の意味
炭鉱のカナリア
出版にあたって 忠地佐代子
年表
あとがき