社会政策第9巻第1号(通巻第26号) 特集:財源調達と社会政策
近年、高騰する社会保障費に対し、その財源調達について様々な議論が生じている。社会保険料と租税について、「納得のいく」負担のあり方が求められているが、国民の合意形成に関する課題は多い。特集では、関連する学説や制度を分析し、ジェンダー、国民年金未納問題、教育・育児保障等の視点を踏まえ、国民の理解を得るための事実関係を提示する。小特集では、同一価値労働同一賃金研究の成果を振り返り、今後の展望を考察する。
[ここがポイント]
◎ 特集では、国民の「納得のいく」社会保障と財源調達のあり方を念頭に置き、様々な学説・制度を踏まえ、事実関係を明らかにする。
◎ 小特集では、これまでの同一価値労働同一賃金研究の成果を検証し、その可能性を検証する。
身分撤廃の筋道 禹 宗杬[ウー ジョンウォン]
【特集】財源調達と社会政策:納得の論理構築に向けて
〈特集趣旨〉座長報告:財源調達と社会政策(玉井金五)
税・社会保障の純負担を比較ジェンダー分析すると(大沢真理)
社会保険は限界なのか?──税・社会保険料負担と国民年金未納問題(四方理人)
教育・育児保障の財源調達──高齢者にどう納得してもらうのか(大岡頼光)
社会保障の財源問題──租税と社会保険料をめぐる論点(池上岳彦)
【小特集】同一価値労働同一賃金研究の新地平
〈小特集趣旨〉小特集に寄せて(遠藤公嗣)
職務分析の実際と「同一価値労働同一賃金」職務評価の試み──中小企業のあるスポーツ関連会社の事例(大澤卓子)
看護師にペイ・エクイティを実現する手段の一事例研究(針尾日出義)
【投稿論文】
宣教医パームの活動にみる明治初期医療伝道の意義(熊沢由美)
三菱電機の1950年職階制度導入──戦後直後期における職務重視型人事労務管理の萌芽に関する一考察(鈴木 誠)
【書評】
大沢真知子著『女性はなぜ活躍できないのか』(評者:鈴木紀子)
森岡孝二著『雇用身分社会』(評者:禿あや美)
西村 純著『スウェーデンの賃金決定システム:賃金交渉の実態と労使関係の特徴』(評者:田村 豊)
篠原健一著『アメリカ自動車産業:競争力復活をもたらした現場改革』(評者:橋場俊展)
李 宣英著『準市場の成立は高齢者ケアサービスを変えられるか:日韓の比較実証分析』(評者:須田木綿子)
SUMMARY
学会関連資料