多様な専門分野からの最新の知見が有効に統合、体系化された社会安全学を学ぶ画期的入門書。
著者 |
関西大学 社会安全学部 編
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ジャンル |
社会
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出版年月日 |
2018年04月30日
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ISBN |
9784623082452 |
判型・ページ数 |
A5・304ページ |
定価 |
定価3,080円(本体2,800円+税) |
在庫 |
在庫あり |
社会安全学は、事故や災害の防止と抑制、被害者の救済や被災地の復旧・復興を目的とし、各専門分野の研究が学際的に融合する、安全・安心のための新しい学問である。本書は、安全・安心という視座から、人間や社会、自然を洞察し、そこにある問題を解析し、解決策を提示することで、安全・安心な社会の実現をめざす。法学、政治学、経済学、経営学、心理学、社会学、理学、情報学、工学、社会医学など多様な学問分野からの、最新の知見を有効に総合した社会安全学を学ぶ初の画期的テキスト。
[ここがポイント]
◎ 社会安全学部の8年にわたる研究・教育成果を集積。
◎ 法学、政治学、経済学、経営学、心理学、社会学、理学、情報学、工学、社会医学など多様な学問の最新の知見を、総合的、かつ体系的にまとめた画期的、社会安全学の入門書。
まえがき
第Ⅰ部 人間社会と社会安全学
第1章 社会安全学とは何か
1 不慮の事故と社会安全
2 災害や安全に関わる諸概念
3 社会安全学とは何か
第2章 科学技術の発展と人間社会
1 科学技術の発展と人間社会の変容
2 巨大都市の成立と高速・大量輸送
3 ICT・AIと現代社会
第3章 現代社会とリスク
1 現代社会におけるリスクへの人間の対応
2 現代社会におけるリスク評価と対策
第4章 近代社会と学問の成立
1 人間社会と学問のはじまり
2 近代科学の誕生
3 学問の発展と専門分化
4 安全工学・防災学・リスク学の誕生
第Ⅱ部 人間と社会を脅かす事象
第5章 人間・自然・人工物
1 人間・社会を取り巻く環境
2 自然環境・社会環境におけるハザード
3 ハザードから事故・災害への進展
4 事故・災害の評価のためのリスク
5 事故・災害に共通する諸課題
第6章 自然災害
1 自然災害の歴史
2 地震・火山災害
3 地盤・土砂災害
4 水災害
第7章 社会災害
1 社会災害と被害の諸相
2 ヒューマンエラーと事故
3 主な社会災害とその対策の歴史
第8章 環境リスク
1 生態系の変化と感染症のリスク
2 気候変動リスクとその対策
3 環境リスクとその対策
第9章 戦争・犯罪・テロ
1 戦争・犯罪・テロと社会安全学
2 戦争による被害とその要因
3 犯罪による被害
4 テロリズム
第Ⅲ部 リスクの分析とマネジメント
第10章 リスク分析の方法
1 リスクの評価と確率
2 リスクの分析・予測モデル
3 リスクを最小化するための意思決定手法
第11章 リスクマネジメント
1 リスクマネジメントとは何か
2 リスクアセスメント
3 リスクトリートメント
4 リスクマネジメントの運用
第12章 リスクコミュニケーション
1 リスクコミュニケーション
2 災害情報
3 防災教育
第13章 クライシスマネジメント
1 クライシスマネジメントとは何か
2 行政のクライシスマネジメント
3 企業のクライシスマネジメント
第Ⅳ部 社会の防災・減災・縮災の仕組み
第14章 防災・減災・縮災のための公的システム
1 社会安全と法システム
2 行政システムと社会安全
3 標準化と規格
4 構造物の設計基準と安全性確保に関する制度
第15章 政府の防災・減災活動
1 政府の防災・減災活動
2 社会安全のための公的システム
3 地方公共団体と社会安全
第16章 防災・減災・縮災のための民間システム
1 自然災害と非営利組織
2 企業の事故防止活動
3 BCPと危機管理
4 市場経済ベースによる防災・減災活動
第17章 被災者支援
1 被災するということ
2 さまざまな被災者支援
3 被害者になるということ
第Ⅴ部 社会安全学の深化のために
第18章 現代社会における安全という価値
1 ホッブスから始める
2 安全のパラドックス
3 科学の発展と安全,自由
4 損害賠償と過失の倫理的問題
5 巨大災害時の倫理問題
6 安全という価値の位置づけ
第19章 社会安全のためのガバナンス・合意形成
1 社会のリスクを統治するために
2 社会のリスクについてのトレードオフ
3 リスクガバナンスのための合意形成
第20章 社会安全学の深化のために
1 進化する自然災害
2 現象先行型の社会安全学の充実
3 安全・安心社会を実現するための社会安全学の挑戦
補 章 社会安全学研究の国際的動向
1 英語圏
2 北欧諸国
3 フランス語圏
あとがき
索 引