幕末動乱の時代を風のように駆け抜けたラジカリスト松陰の魅力とは何か。 村塾で展開された人間教育の諸相―― 来学の動機、紹介者、通学と寄宿、教育費、出席状況、カリキュラムなどを、門生たちの活躍に関連づけながら見た。
一 革命児の誕生 1)家庭環境-松陰をとりまく人びと 2)スパルタ式の家庭教育 3)兵学師範への道 4)諸国遊歴の旅二 思想家としての松陰 1)兵学者的時務論に親しむ 2)水戸学との出会い 3)討幕論への脱皮三 松下村塾の教育史的背景 1)長州藩の教育制度 2)教育者松陰の誕生 3)前史-三つの村塾四 村塾の規模と形態 1)さまざまな弟子たち 2)紹介者とそのルート 3)通学生と寄宿生 4)教育費は誰が負担したのか五 一人ひとりを生かす教育 1)村塾に何を期待したのか 2)学規・教則を排する 3)出入り自由の学習 4)塾生が教科書を選ぶ 5)授業の実際 6)童心は真心なり六 草莽崛起の実践 1)「吾が党の士」を糾合する 2)政治的蹶起の具体的プラン 3)義卿が崛起の人なり七 師の衣鉢を継ぐ人びと 1)その後の松下村塾 2)村塾グループの同志的結集 3)成功者と失敗者