〈わたし〉の発達 乳幼児が語る〈わたし〉の世界
人は知らず知らずのうちに、「私は……」という言葉を使っています。その〈わたし〉はどのようにして形成されていくのでしょうか――。子どもたちの中に入ってエピソードと言葉を数多く採集し、〈わたし〉が出来上がっていく過程を克明に、そして、おもしろく描き上げていきます。第39回日本保育学会保育学文献賞受賞。
序 章 〈わたし〉の発達
第1章 自己の知覚
1 自己の感覚の始まり
2 人・モノの分れ
3 交流する自己
4 自己を折り返す
第2章 自我の芽生え
1 分離/個体化への途
2 〈わたし〉の声
第3章 自己を物語る
1 自伝的な記憶
2 自伝的に語る
3 物語ることの成り立ち
4 物語の交流
5 物語のなかの〈あなた〉:根にもつこと
第4章 ちょっと手ごわい4歳児
1 じぶんの面目
2 タテマエとホンネ
3 ホントとウソッコ
4 ウソッコからホントへ
5 こころの理論
第5章 わたしたちのなかの〈わたし〉:頼りになる5歳児
1 〈わたし〉から〈わたしたち〉
2 われわれへの責任
3 人となりの認識
第6章 わたしは〈わたし〉
1 〈わたし〉なりの認識
2 感情の認識
3 自己のパースペクティブ
第7章 ことばでつくる世界
1 問いのゲーム
2 因果を問う
3 人に教わる
4 人に教える
5 人と学び合う
第8章 社会的な〈わたし〉——その光と影
終 章 〈わたし〉の鏡と鑑
展望的な補稿
幼児から児童への〈わたし〉
1 人格としての自己性
2 自己を批評する
3 自己の感情を折り返す
4 自己のウチとソト
5 演出する自己
6 子どもから大人
参考文献