産業化・近代化がもたらした社会問題への解決の模索たる福祉化を、家族・地域社会や労働・雇用の変貌、貧困や不平等問題、社会保障政策の展開から把握するとともに、逆に福祉化がもたらす問題点を専門性、身体とジェンダー、障害認識、体制比較の視点から再照射していく。
はしがき(藤村正之)序 福祉化と社会変動 その社会学的構図(藤村正之) 一 社会問題の変化と福祉化の展開1 福祉化のなかの家族と地域社会(杉岡直人)2 貧しさと豊かさの変質 貧困問題と時事問題(藤村正之)コラム 近接領域との対話[経済学] A.センv.s. P.タウゼント論争再訪 経済学v.s.社会学?(山森 亮)3 社会保障政策の展開と福祉国家体制の再編(平岡公一)4 ケインズ主義的福祉国家のシステム危機(下平好博) 二 福祉化を問い直す方法と視点5 専門職と専門性の変容 医療化と福祉化をめぐって(野口裕二)コラム 近接領域との対話[住民流福祉] 福祉は「隠し味」(木原孝久)6 出生前診断は何を提起するのか(柘植あづみ)7 障害が語る近代秩序(要田洋江)コラム 近接領域との対話[芸術学] 絵によるグリーフワークの可能性(半田 結)8 中国における社会保障と〈伝統文化〉との相乗/相克 急激な近代化・家族変動とその21世紀のゆくえ(鍾 家新)索 引