経済学、社会学(=市場社会観)、政策立案、文化活動、哲学的思索等の諸側面でのケインズの多様で華麗なる活動。経済学の一大中心地ケンブリッジでケインズの同僚たちが展開した独自の市場社会観。ケインズも有力なメンバーであったブルームズベリー・グループの個性が織りなす複雑な紋様 これらの多面性からケインズとケンブリッジ的世界の解明に挑む。
まえがき 一 時代状況1 イギリスの経済的衰退2 第一次大戦前までのイギリス社会 二 ケンブリッジの市場社会観3 社会主義 対 資本主義4 自由主義的干渉主義5 厚生と価値6 似而非道徳律と経済的効率性 三 ブルームズベリー・グループ7 ブルームズベリー・グループ8 ヴァネッサとその周辺9 ウルフ夫妻とリットン 四 ケインズの諸相10 ケインズの生涯11 『確率論』と「若き日の信条」12 ケインズ経済学の形成過程13 ケインズの講義14 『一般理論』を読む15 雇用政策と福祉国家システム16 『一般理論』理解と戦後マクロ経済学の展開 五 市場社会考17 市場社会論と経済理論の関係18 市場社会システムをめぐって参考文献/あとがき/ケインズの活動と世界の情勢初出一覧/人名・事項索引