日韓における法改革の実情を俯瞰する 成熟した市民からなる社会の構築をめざす改革の背景と各専門領域での取組みを検証。現在、日韓両国において、グローバル化に対応した社会の再編をめざし積極的な法改革が行われている。それは、人が自己の責任で行為し、また統治にも主体意識をもって参加する、そうした市民からなる社会を構築しようというものである。本書では、日韓の第一線で活躍する執筆陣により、その本来の意図がどこまで実現されているのかを探り、これからの市民からなる社会構築のあり方を検討する。
はしがき序 市民社会と法化社会 一 市民社会の諸相1 国民国家の超国家化と市民権/出入国談論2 国際化の中の日本社会3 NPOと市民社会4 現代韓国立法に対する法社会学的分析5 アジア市民社会における家族とジェンダー6 既婚就業女性の隠された「二重役割」7 関係的資源としての弁護士8 刑罰をめぐる権利の言説 二 政治と司法改革9 法治と分権10 比較社会・文化的文脈からみた司法積極主義と司法消極主義11 市民社会の展開の中の日韓司法改革12 韓国における「ロースクール」論議13 陪審員の意思決定過程に関する実証研究14 裁判員制度の機能化索 引