コミュニティ・バンクのあり方米国のコミュニティ銀行と、それを取り巻く地域社会や規制環境から日本の地域金融は何を学びうるのか。前作『米国のコミュニティ銀行』(2000)刊行から7年。重ねて進めた米国取材・現地調査からコミュニティ銀行の実相を明らかにする。「リレーションシップ・バンキング」と地域金融機関の存続可能性、地域経済・社会の再活性化、NPO・NPOバンク、「貯蓄から投資」の流れや「格差」問題と経済金融教育、協同組織金融機関の制度見直し論議など、わが国の地域金融および地域社会をとりまく諸課題に関しても、含意を引き出す。
はしがき謝辞英語略称一覧初出一覧序 地域における協働の揺らぎとコミュニティ・バンク 本書の主たる問題意識と検討課題 I 米国の金融環境の変化とコミュニティ・バンク1 米国における銀行再編とコミュニティ銀行 再論 【コラム】米国コミュニティ銀行業界とサブプライム・ローン問題2 米国のクレジット・ユニオン もう一つのコミュニティ・バンク業態3 コミュニティ銀行の経営課題 コミュニティ銀行研修所のケース討議より4 米国の銀行業界の変化とCRA(地域社会再投資法) 大手銀行の豊富な資金をインナーシティに「誘導」する 対銀行政策メカニズム5 金融制度改革論議とコミュニティ銀行業界の戦略的対応 1999年GLB法をめぐって II 地域社会・NPOと協働するコミュニティ・バンク6 経済的停滞地域で活動するコミュニティ銀行 ミネソタ州ダルースにおける地域の協働ネットワーク 【コラム】Capitol City Bank and Trust アトランタの「志(こころざし)」ある黒人たちが 創設したコミュニティ銀行7 NPOとコミュニティ銀行との協働による地域の起業促進 ウイスコンシン州ミルウォーキー8 「コミュニティづくり」を重視した地域再興の成功事例 ミシシッピ州テューペロ9 コミュニティ銀行およびNPOによる金融教育の推進 マサチューセッツ州フランクリンおよび カリフォルニア州ロサンゼルス 【コラム】Young Americans Bank デンバーの青少年向け金融教育専門銀行終 わが国のコミュニティ・バンクにとっての含意引用文献等索引