城山三郎伝 昭和を生きた気骨の作家
『官僚たちの夏』『乗取り』など、昭和という時代に経済小説の分野を切り開いた稀代の作家、城山三郎。昭和のはじまりと同時に生まれ、生涯を通じて「昭和」という時代を書ききろうとした城山は、人を単なる肖像画ではなくその背景を含めて描き出した。彼の遺したダンボール三百箱にのぼる一次資料にふれた著者が、権力に屈せず、己を曲げず、人間を、社会を、そして組織を見つめて生きぬいた作家の一生を描く。
◊第24回『中部ペンクラブ文学賞 特別賞』受賞
第一章 少年時代――模範的な学校生活、そして戦争体験
第二章 学生時代――学びの日々、病から生じた詩心
第三章 兼業作家――大学に勤めながら、経済小説の旗手へ
第四章 足軽作家――歴史小説に進出、文章家として開眼
第五章 反骨作家――権力におもねらず、我が道を行く
第六章 一日即一生――愛妻との死別、国家との対立
参考文献
あとがき
城山三郎略年譜
人名・事項索引