
倉俣史朗のデザイン 夢の形見に

デザインをアートに昇華したクラマタ作品、その美しさの根底を解説できるのは、デザイナー川崎和男だから可能だった。
――蓑 豊(兵庫県立美術館館長、大阪市立美術館名誉館長、金沢21世紀美術館特任館長)
かつて日本で「天才」と呼ばれたデザイナー、倉俣史朗。そのデザインはわれわれの世界に新たな地平を拓いた。現在日本のプロダクトデザイン界をリードする川崎和男が、自身のクラマタへの思い、そしてクラマタデザインが持つ先見性、普遍性、永続性をデザイナーとしての立場から論じる。
1 クピドが放とうとした矢
2 ワイングラスのインジケーター
3 硝子の音色
4 画家とともに
5 アクリルの生涯連鎖
6 変形という観念の裏切り
7 モンドリアンへのオマージュ
8 脱構築という命題
9 造形された形式
10 輪郭線での記述手法
11 図形元素としての点
12 造形形態学への必要性
13 造形言語の修辞学的手法
14 意味論としてのデザイン
15 遺伝子操作としてのオマージュ
16 時の経過と瞬間
17 リトルネッロ論とエキスパンドメタル
18 アイ・ポイントからのミス・ブランチ
19 ビュー・ポイントからのミス・ブランチ
20 永遠の眠りのために
あとがき
倉俣史朗略年譜
人名・作品索引