ひとりで学べる社会統計学
初学者にとってとっつきにくい社会統計学。本書は、数式の苦手な文系学生が「統計学というツールを使いこなせるようになる」ための格好の入門書である。実際のフィールド研究で、また日常生活において、分析ツールとして統計学を使ってどう知りたい情報を得るか、その理論と方法を明快に解説する。調査の出発点である仮説の立て方から、調査の設計、分析・検証の手法までをフォローする。
1 我々を取り囲む社会関係の網
2 社会関係の網の実態を描き出し説明する
3 本書の構成
第1章 標本調査を企画しよう
1 悉皆調査と標本調査
2 母集団と標本
3 調査対象者を選び出す―標本抽出の考え方
4 多段抽出と層別抽出
第2章 集団の特徴を数値で示せ
1 中心傾向の測度
2 ちらばりの測度
3 データの種類
第3章 平均値の差を検定する
1 標本調査のシミュレーション
2 平均値の差を検定する
第4章 独立性を検定する
1 「独立」とは「関連がない」ことである
2 期待度数とは帰無仮説を前提とした値である
3 カイ二乗値を求める
第5章 相関関係を検定する
1 散布図を描く
2 相関係数
3 無相関検定とはなにか
第6章 確率を利用するために
1 確率論の基礎
2 二項分布について知る
3 正規分布について知る
第7章 統計的推定を行う
1 母平均の推定を行うための準備
2 母平均を推定する
第8章 統計的検定を行う
1 2群の平均値の差の検定(t検定)
2 独立性の検定(カイ二乗値検定)
3 無相関検定
第9章 ノンパラメトリック検定を行う
1 パラメトリック検定とノンパラメトリック検定
2 1サンプルのχ2検定
3 複数の独立サンプルの検定
4 1サンプルのt検定
第10章 多変量解析を行う
1 多変量解析の必要性
2 重回帰分析
3 分散共分散分析
4 ロジスティック回帰分析
第11章 科学的研究の方法
1 具体的な世界と抽象的な世界の往還
2 仮説検証
3 知りたいことを明確にするために―仮説の立て方
4 わからないことを明確にするために―報告書の書き方
終章 標本調査の実査にむけて
1 社会調査とはどのような試みか
2 数量的分析とはどのような試みか
3 社会調査に必要な発想法とはどのようなものか
付表
参考文献
あとがき
索 引