世界政治を読み解く
世界政治のマクロ的潮流に焦点をあわせ,様々な問題の解決策を根底から問い直し,世界政治構造の変化と将来展望の見取図を描く,国際政治・各国政治研究の入門書。
[ここがポイント]
◎ 第一線の政治学者が,政治構造の変化を見極める
◎ 世界政治を読み解くうえで鍵となる諸概念を丁寧に解説した後,世界政治上重要なプレイヤーや地 域の現状を分析し,現在国際的に問題となっているテーマを論じる
序 章 政治の構造変化(押村 高)
1 21世紀の世界政治
2 現代政治における構造変化
3 新しい政治への展望
4 本書の構成
第Ⅰ部 概念を検証する
第1章 どうなる,国家とナショナリズム(押村 高)
1 国家の危機
2 国民国家の矛盾の拡大
3 先進国における国家の自立性の低下
4 ナショナリズムはいま
5 国家ルネサンス?
第2章 どうなる,デモクラシー(早川 誠)
1 デモクラシーの時代
2 デモクラシーの成立条件
3 代議制とその改革
4 政体と同質性
第3章 どうなる,福祉国家(田中拓道)
1 転換期の福祉国家
2 資本主義――商品化と脱商品化
3 国家と社会――脱商品化の運動
4 社会規範――正統化論の射程
5 福祉国家の行方
第4章 どうなる,市民社会(木部尚志)
1 市民社会論の類型
2 市民社会の力学
3 市民社会の力学の事例――日本,バングラデシュ,ドイツ
4 グローバルな市民社会の展望
第Ⅱ部 変容を見極める
第5章 21世紀もアメリカの世紀か(中山俊宏)
1 アメリカにとっての20世紀
2 超大国アメリカと単極秩序
3 ポスト9.11パラダイムを超えて
4 「アメリカ後の世界」とオバマ政権の誕生
第6章 「崛起する中国」の見方(加茂具樹)
1 崛起する中国の出現
2 「崛起」中国に対する自己認識
3 危機意識の中の中国指導部
4 転換する外交方針
5 中国のガバナンスと20年後の東アジア
第7章 国連の役割を問う(庄司真理子)
1 パワー・権威・国連
2 平和と安全の維持の伝統的手法
3 冷戦後の国連と『平和への課題』
4 価値変革の主体としての21世紀の国連
第8章 拡大EU,地域統合のガバナンス・モデル(羽場久美子)
1 リーマン・ショックと地域統合
2 なぜ世界で,アジアで,地域統合の波なのか?
3 地域統合の理念と現実
4 欧州は,どのように統合に至ったか
5 欧州地域統合の現実的教訓
6 EUと東アジアの,地域共存と相互の発展のために
第9章 中東和平とイスラーム政治(横田貴之)
1 パレスチナ問題の誕生
2 パレスチナ解放闘争の変容
3 ハマースの中東和平観
4 中東和平交渉とハマース
5 中東和平の今後
第Ⅲ部 政策と行動に向けて
第10章 どうする,軍備管理とテロ対策(山崎元泰)
1 21世紀型脅威の浮上
2 軍備管理
3 テロ対策
第11章 どうする,アフリカの人間の安全(加茂省三)
1 人間の安全保障とは
2 アフリカにおける人間の安全にかかわる諸問題
3 アフリカにおける人間の安全を求めて
第12章 どうする,地球環境政治(太田 宏)
1 地球環境問題とは何か
2 地球環境政治とは何か
3 地球環境政治の行方
第13章 どうする,グローバルな格差(神島裕子)
1 グローバルな格差の諸相
2 グローバルな基準とケイパビリティ・アプローチ
3 格差是正へ向けた従来の取り組み
4 グローバルな格差の是正に向けて
終 章 世界政治,そして変わらないもの(中山俊宏)
1 何が問題なのか
2 歴史の意味
3 進歩という信仰
4 「地球的公共性」はあるか
5 アイデンティティの変化と主権国家
資料編
索 引