特別支援教育に生かす病弱児の生理・病理・心理
本書では、医療に深く関わる専門家が関係する病気と障害を、主として取り扱う。そのため、注意欠陥多動性障害や広汎性も含めて取り扱っている。発達障害病弱教育の対象になる疾患や障害児の心的特性の説明だけにとどまらず、どのように支援していくか、また病気、障害の基本的な考え方や制度などについても学べるテキスト。
序 章 病気,障害をめぐる動向
1 健康,病気,障害の概念
2 病気,障害をめぐる疫学統計
3 病弱・障害児教育の歴史的展開
第Ⅰ部 子どもの発達と発達障害
第1章 子どもの発達──精神面・運動面の発達
1 発達の領域
2 発達を支えるもの
3 発達と脳内機能局在
4 発達の遅れの診断
第2章 発達障害の考え方と広汎性発達障害・
注意欠陥多動性障害
1 発達障害とは
2 自閉症/広汎性発達障害
3 注意欠陥多動性障害
第3章 知的障害を伴わない発達障害と二次障害
1 二次障害に陥りやすい子どもたち
2 二次障害を予防していくための視点
3 メンタルヘルスを考慮した個別の指導計画の作成と指導・支援
第Ⅱ部 子どもの病気
第4章 循環器疾患の理解と支援
1 就学児の循環器疾患の経年変化
2 学校現場でよく見る循環器疾患
3 学校における心疾患児童への対応の注意点
第5章 呼吸器疾患の理解と支援
1 呼吸器の感染症
2 気管支ぜん息(ぜん息)
3 過換気症候群
第6章 悪性腫瘍の理解と支援
1 小児がんの種類と好発年齢
2 白血病
3 脳腫瘍
4 その他の主な固形腫瘍
5 緩和医療とターミナルケア
6 トータルケア
第7章 腎・泌尿器疾患の理解と支援
1 子どもの腎疾患,泌尿器疾患にはどのようなものがあるか
2 慢性腎疾患の子どもの学校生活における留意点
第8章 成長障害,内分泌疾患の理解と支援
1 ヒトの成長とその異常について
2 内分泌疾患のいろいろ
3 病気とはいえない成長パターンの偏倚について
第9章 消化器・肝臓・栄養疾患の理解と支援
1 教育現場で遭遇しやすい消化器・肝臓・栄養疾患
2 胃食道逆流現象(GER)
3 急性下痢症,慢性下痢症
4 嘔吐,周期性嘔吐症
5 便 秘
6 胃・十二指腸潰瘍
7 慢性ウイルス性肝炎
8 肥満と肥満症
9 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
第10章 神経系疾患の理解と支援⑴
1 てんかん
2 脳性まひ
3 ダウン症(染色体異常症を含む)
4 神経皮膚症候群
第11章 神経系疾患の理解と支援⑵
1 知的障害(精神遅滞)
2 脊髄性筋萎縮症
3 筋ジストロフィー
4 水頭症
第Ⅲ部 病気,障害の子どもを守る
第12章 病気,障害の受容とセルフケア
1 病気,障害の受容とセルフケアとは
2 発達段階とセルフケア
3 疾患の受け止め方と心理・情緒面
4 セルフケアの力を育てるカリキュラム
5 慢性疾患に適応するための支援
第13章 病気,障害の子どもの心理的特性
1 病気の概念の発達
2 疾患(Disease)と病気(Illness)の違い
3 発達段階から見た心理社会的問題
4 各疾患ごとに抱えている心理社会的問題
5 ターミナル期にある子ども
第14章 教育・医療・保健・福祉の連携と支援
1 地域で暮らすことへの包括的支援
2 全人的ケアの理念と機能
3 QOLを高める教育・医療・保健・福祉の連携と支援
第15章 病気,障害のある子どもを支える法制度
1 社会保障制度というセーフティネット
2 母子保健関連施策と子どもの医療制度