
発達 128 特集 震災の中で生きる子ども

子どもには本来、目の前の課題に取り組み乗り越えていく力がある。そのことは震災の中でも変わらないし、むしろ日常生活が破壊されたり大事な人を亡くしたり大事な人と離ればなれになったりした時だからこそ、子ども自身がもつ力を信頼し、子どもがこの状況を生き延びるのを見守ることが重要だと思われる。この特集では震災の中での子ども(とその周囲の大人)の現実の姿を知り、そこで何が必要とされているのかを考える。
Ⅰ 被災地で生きる人の視点から
子どもと子どもを取り巻く人々への支援の枠組み・・・本郷一夫
避難所運営をしていた特別支援学校から・・・櫻田 博
児童相談所児童心理司の視点から・・・辰沢 剛
避難所での子どもの遊び場づくりの1カ月――その意味を考える・・・上山真知子
Ⅱ 何ができるか
子どもにおける大震災の後遺症を減らすための対応・・・杉山登志郎・山村淳一・野村和代・土屋賢治・酒井佐枝子
一カ月間のボランティア活動で見た子どもたち――被災地での心の支援について・・・掛井一徳
「絆」をタスキに――岩手県学校支援カウンセラー活動報告・・・伊藤義徳
被災地と心理支援との“つながり”を築く・・・阿部 昇・原 玲子
障害者の視点からニーズを掘り起こす・・・藤原勝也
原発事故避難の子どもたちを支援して・・・金谷京子
父親を亡くした子どもと関わる――幼い子どもの死別体験と「心のケア」・・・竹田伸子
<支えられるー支える>土壌と子どもたちがもつ<生きるための力>の育ち――過去の震災、戦争の体験記と東日本大震災の記事より・・・浦崎 武
《連載76》家族パスワード――母の結婚、そして離婚・・・団 士郎
《連載66》孔子の国の子どもたち――文化の違いはなぜ現れる?(1)・・・山本登志哉
《連載70》人との関係に問題をもつ子どもたち
生活環境の変化に応じたSさんへの関わり:見通し支援の勘どころ・・・《発達臨床》研究会
《連載107》霊長類の比較発達心理学
チンパンジーのメタ認知実験・・・平田 聡
《連載2》博物館でワクワク学ぶ
ワクワクを友だちと贈り合うハコブツカン・・・塩瀬隆之
《連載7》育つということ――発達臨床のフィールドから
からだとこころと象徴機能 その4 自閉症と情動行動・・・山上雅子
発達読書室