学校改善マネジメント 課題解決への実践的アプローチ
現在、日本全国の学校には様々な「改善」が求められ、外発的な改善として、校長のリーダーシップ強化や新しい職の設置、さらに学校評価の導入など、そして内発的改善としては、学力向上のためのカリキュラム開発や授業開発などが求められている。いったい学校改善の方法と実践は、どのように展開すればよいのだろうか。
本書は、校長先生をはじめ学校改善のファシリテーターとなる先生に、「改善」とは何かを示し、基礎となる理論をしっかり押さえた上で、その具体的実践につながる考え方と方法を、PDCAのステップに即してわかりやすく提示する。
[ここがポイント]
◎ 学校運営,活動,授業,生徒指導について,実践的な視点に立った,
現場教員の方への具体的な活用につながる解説
◎ 第Ⅱ部「実践編」は各章,⑴目的と価値,⑵実態,
⑶問題と課題,⑷解決の手法と展開がわかるように記述
第Ⅰ部 理論編
第1章 学校改善の課題(篠原清昭)
1 学校改善とは何か
2 社会変動の中での学校と学校改善
3 現代の学校改善の類型と特性
4 学校改善と学校組織類型
5 学校改善のマネジメント課題
第2章 学校改善の方法(大野裕己)
1 学校をめぐる環境変動と「学校改善」の課題
2 学校改善の考え方
3 学校改善の方法①:学校改善の意識の共有化
4 学校改善の方法②:学校改善の組織化
5 各学校での学校改善のマネジメントに向けて
第3章 学校改善のリーダーシップ(露口健司)
1 リーダーシップの分散化
2 学校改善のためのリーダーシップ実践
3 トップリーダーとしての校長の基本的態度
第Ⅱ部 実践編
■学校のPlan
第4章 学校ビジョンの設計(笠井稔雄)
1 学校ビジョンの意義
2 学校ビジョンの作成のポイント
3 学校ビジョンの問題点と改善の方向性
──ケーススタディ:小学校の事例をもとに
第5章 学校経営計画の立案(篠原岳司)
1 学校経営計画づくりのすすめ
2 知識基盤社会における公教育と学校経営計画
3 学校経営計画は誰のもの?:学校経営計画づくりの理論
4 意味ある学校経営計画にするために:実践的課題の探究
5 知識基盤社会における学校経営計画づくりの意義
■学校のDo
第6章 教育課程経営(末松裕基)
1 教育課程経営がいま,なぜ必要なのか?
2 教育課程経営の課題
3 教育課程経営の考え方
4 教育課程経営の方法
第7章 教育臨床(淵上克義)
1 学校組織における教師:教育臨床的観点から
2 学校経営における機能的な教育相談・特別支援教育システム構築
3 教育臨床におけるチーム援助
4 管理職と教師のストレス
第8章 学力向上(石井英真)
1 学力向上への取り組みの現状と課題
2 「目標と評価の一体化」によるカリキュラム設計
3 「真正の学習」をもたらす「教科する」授業の創造
4 「教科する」授業と基礎・基本の獲得・定着
■学校のCheck
第9章 学校の内部評価(加藤崇英)
1 内部評価の今日的意義
2 内部評価の方法(手順)と領域(項目)
3 内部評価を充実させるための視点
第10章 学校の外部評価(福本みちよ)
1 日本における学校の外部評価の展開過程
2 学校関係者評価のねらいと実際
3 第三者評価のねらいと実際
4 学校の外部評価にみられる課題と学校改善に向けた方向性
■学校のAction
第11章 カリキュラム開発(根津朋実)
1 学校に基礎をおくカリキュラム開発(SBCD)とは
2 日本でのSBCDの展開:研究開発学校,教育課程特例校
3 研究開発学校及び教育課程特例校にみられる諸課題
4 各学校での方策
第12章 授業開発(木原俊行)
1 授業開発の必要性
2 授業開発の視点と方法
3 授業開発の課題と展望
第13章 学校の組織開発(織田泰幸)
1 学校組織開発の理論や原理を理解することの重要性
2 学校組織開発の基本的な考え方
3 学校組織開発を実践するためのモデル
4 新たな組織開発の観点からみた学校改善
第14章 教師の力量開発(辻野けんま)
1 教師の力量開発の前提
2 教師の力量開発の現在
3 教師の力量開発の課題
4 教師の力量開発のマクロ的視座
第15章 学区との連携・協働(仲田康一)
1 連携・協働の語義
2 学区との連携・協働が求められる政策背景
3 連携・協働を可能ならしめる仕組みや実践
4 推進上の諸課題
索 引