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アジア独立論者 福沢諭吉 脱亜論・朝鮮滅亡論・尊王論をめぐって

アジア独立論者 福沢諭吉

諭吉はアジア侵略論者だったのか……長年の論争に決着をつける、待望の論考。

著者 平山 洋
ジャンル 日本史
シリーズ 世界史 > シリーズ・人と文化の探究 8
出版年月日 2012年07月20日
ISBN 9784623063468
判型・ページ数 A5・440ページ
定価 定価7,700円(本体7,000円+税)
在庫 在庫あり
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  • 目次

福沢諭吉は戦後の左翼が批判するようなアジア侵略論者なのか。本書ではまず、福沢のナショナリズムの由来を踏まえたうえで、膨大な著作、とりわけ『時事新報』無署名社説の起草者を認定することを通じて、石河幹明ら周囲の人々の主張と明確に仕分けする。はたして新聞人として読者に伝えようとした福沢の「独立自尊」と「文明政治」とは、いかなる内容だったのか。本書ではその核心を詳細に論じる。

はじめに

 第Ⅰ部 福沢諭吉とナショナリズム

第1章 ナショナリズムの根拠――福沢諭吉の場合
 1 福沢は何かを隠している
 2 中津藩改革党と天保の改革
 3 福沢のナショナリズムの原型としての水戸学
 4 真の愛国とは何か――実学派と尊王派の抗争

第2章 福沢諭吉は公金1万5千ドルを横領したか
 1 福沢諭吉が謹慎処分を受けることになった四つの理由
 2 福沢公金横領疑惑は、藤井哲博著『小野友五郎の生涯』に 起源をもつ
 3 「弾劾一件」は、生田目経徳が小野家から借りた書簡類だった
 4 「福沢諭吉の幕府公金流用との噂についての覚書」の出現
 5 「福沢諭吉の幕府公金流用との噂についての覚書」の筆者とその信憑性
 6 謎の人物生田目経徳
 7 生田目経徳と石河幹明・高橋義雄との関係

第3章 『学問のすゝめ』と『文明論之概略』
 1 『文明』の基本プランを構想する
   ――明治7(1874)年1月〜3月
 2 学者職分論・赤穂不義士論・楠公権助論への批判
   ――明治7(1874)年4月〜8月
 3 楠公権助論批判を受け、『文明』草稿を書き換える
   ――明治7(1874)年9・10月
 4 楠公権助論、大槻磐渓により擁護される
   ――明治7(1874)年10月
 5 『文明』において楠公権助論批判などに応答する
   ――明治7(1874)年11・12月
 6 『文明』第8・9・10章を年明けに執筆
   ――明治8(1875)年1月〜2月
 7 『文明』第10章「自国の独立を論ず」はなぜ書かれたか
   ――明治8(1875)年1月

第4章 福沢諭吉は朝鮮甲申政変の黒幕か
 1 研究史の整理
 2 福沢諭吉が語る朝鮮と朝鮮人
   ――明治14(1881)年6月〜明治17年11月
 3 朝鮮での井上角五郎
   ――明治16(1883)年1月〜明治17年12月
 4 福沢諭吉が語る甲申政変
   ――明治17(1884)年12月〜明治21年3月
 5 井上角五郎が語る甲申政変⑴
   ――明治17(1884)年12月〜明治24年10月
 6 井上角五郎が語る甲申政変⑵
   ――明治43(1910)年1月〜昭和18(1943)年12月
 7 金玉均が語る甲申政変
   ――明治17(1884)年〜明治27(1894)年
 8 朴泳孝・徐載弼・李奎完が語る甲申政変
   ――昭和10(1935)年〜昭和19(1944)年
 9 外交文書が語る井上角五郎
   ――明治17(1884)年11月〜明治20年8月
 10 真相の探求
 11 政変に参加した四人の日本人

 第Ⅱ部 『時事新報』論説の作られ方

第5章 『時事新報』論説とは何か
 1 『時事新報』の創刊
 2 論説はどのように作られていたか
 3 『時事新報』論説が『全集』に収められた経緯とそのカテゴリー分け

第6章 無署名論説からいかに福沢を見つけだすか
 1 井田進也の判定法
 2 井田メソッド以外の抽出方法と今後の研究展望

第7章 『時事新報』の「我輩」たち⑴――中上川彦次郎時代
 1 中上川彦次郎時代前期
   ――明治15(1882)年3月〜明治17(1884)年7月
 2 近代最大の文章家・福沢諭吉
 3 福沢の甥・中上川彦次郎
 4 後年の外交官・波多野承五郎
 5 中上川彦次郎時代後期の概観
   ――明治17(1884)年8月〜明治20(1887)年4月
 6 多芸の人・高橋義雄
 7 熱血の政治少年・渡辺治

第8章 『時事新報』の「我輩」たち⑵――伊藤欽亮時代から福沢捨次郎時代へ
 1 伊藤欽亮時代の概観
   ――明治20(1887)年7月〜明治29(1896)年6月
 2 後年の主筆・石河幹明
 3 有望の少年・菊池武徳
 4 福沢諭吉の再来・北川礼弼
 5 福沢捨次郎時代の始まり(明治29〔1896〕年7月)と若き経済学徒・堀江帰一

 第Ⅲ部 ありがちな批判に答える

第9章 福沢への不当な評価
    ――安川寿之輔著『福沢諭吉の戦争論と天皇制論』と杉田聡編『福沢諭吉朝鮮・中国・台湾論集』
 1 『福沢諭吉の真実』賞賛の大合唱
 2 『福沢諭吉の真実』の13仮説
 3 13仮説の論証⑴――仮説1、仮説2について
 4 13仮説の論証⑵――仮説3から仮説13まで
 5 いわゆる「丸山諭吉」神話について
 6 杉田聡編『福沢諭吉 朝鮮・中国・台湾論集』について

第10章 『時事新報』論説は誰の思想を表しているか 
 1 福沢諭吉は『時事新報』の論説主幹ではない
 2 『時事新報』論説の多くは石河幹明の執筆である
 3 石河の『福沢諭吉伝』には描かれていない時事新報社の内情
 4 石河は福沢に社説欄の委譲を迫っていた
 5 福沢は好きで新聞社を経営していたわけではない、もっとしたいことがあった
 6 脳卒中発作後の福沢は失語症だったのか
 7 石河は社説「国の為めに戦死者に謝す」を『続全集』に入れたかったのではないか

第11章 『時事新報』の論調は、対アジア強硬論一辺倒か
 1 福沢直筆の朝鮮・中国・台湾論は、ほとんどない
 2 創刊当初の時事新報の論調は、対清国強硬論ではなかった
 3 社説「一大英断を要す」(明治25年7月19日掲載)について
 4 社説「日本臣民の覚悟」(明治27年8月28・29日掲載)について
 5 社説「旅順の虐殺無稽の流言」(明治27年12月14日掲載)について
 6 杉田聡は井田メソッドの達人である
 7 杉田の石河へ抱く盲目的愛は、安川のそれよりもなお深い

第12章 『福沢諭吉の真実』への反響
 1 研究者の多くが『福沢諭吉の真実』に触れている
   ――伊藤之雄・井上章一・谷沢永一
 2 『福沢諭吉伝』は帝国学士院賞受賞を意識していたのか
 3 田口富久治による平山支持
 4 西村稔による平山批判
 5 西村の立論に対する平山の疑念
 6 『福沢諭吉の真実』に対する研究者の態度について

 第Ⅳ部 独立自尊と文明政治

第13章 「朝鮮人民のために其国の滅亡を賀す」と文明政治の6条件
 1 「朝鮮滅亡論」とは何か
 2 戦後左翼の福沢諭吉批判
 3 伝記作家にして全集編纂者・石河幹明
 4 「脱亜論」と「朝鮮滅亡論」を書いたのは誰か
 5 批判と蔑視の違いについて
 6 文明政治の6条件は、国家主権に優先する

第14章 誰が『尊王論』を書いたのか
 1 『福沢諭吉の真実』の記述への意外な反響
 2 『尊王論』の内容の紹介
 3 『尊王論』の下書きを石河幹明が書いたことの証明
 4 1888(明治21)年1月のクーデタ騒動⑴
   ――紛争の勃発まで
 5 1888年10月のクーデタ騒動⑵
   ――10月22日付中上川宛書簡
 6 クーデタ騒動と『尊王論』の刊行

第15章 石河幹明が信じられない三つの理由
    ――『福沢諭吉全集』「時事新報論集」の信憑性について 
 1 前段・石河「例言」の解釈は、平石氏と私(平山)では異なっている
 2 後段・石河の社説採録の不誠実には物的な証拠がある

第16章 福沢諭吉における国家と個人
 1 教育勅語は大層なものなのか
 2 教育勅語に言及しなかった福沢諭吉
 3 教育勅語への応答としての『福翁百話』・『百余話』・『修業立志編』
 4 交詢社憲法草案への応答としての大日本帝国憲法
 5 朝鮮独立の支援者としての福沢諭吉

おわりに
年度別の「時事論集」掲載論説数一覧
福沢諭吉直筆草稿残存社説一覧
大正版『福澤全集』「時事論集」所収論説・演説一覧
人名・文献索引

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