ユング派心理療法
「発達障害」「解離」「摂食障害」……ユング心理学は現代をどう受け止めるか。
ユング派心理療法は現代の問題に実践的な光を当てる。「第Ⅰ部 解説編」では,歴史的背景を踏まえた理論的基礎をレクチャーする中で,今現在のこころの問題の源泉を探る。そして「第Ⅱ部 事例編」では,11の臨床事例を著者が鮮やかに読み解く。「内面」と「深層」についてのとらえ方が劇的に変わる一冊。
Ⅰ 解説編
1 心理療法という場と主体性
2 近代の心理療法とユング心理学的アプローチ
3 中間対象としてのイメージ
4 物語と象徴
5 物語と象徴以前・以後
6 イメージとの関係
Ⅱ 事例編
1 言葉の遅れを主訴とする軽度自閉傾向の幼児期男児とのプレイセラピー
2 発達障害ボーダーと診断された小学生男児のイメージの世界
――影、そして主体の誕生
3 性犯罪被害を受けた小学生女児の描画・箱庭表現
――火の表現による再生
4 発達障害が疑われた幼児期女児をもつ母親との心理面接
5 摂食障害の10代女性との心理面接
――背後にある現代の意識
6 摂食障害を抱え、自分らしく生きる基盤を模索した10代のクライエントとの心理面接
7 アトピー性皮膚炎に苦しむ青年期女性の夢と言葉
8 「解離」した生活を送っていた20代女性との心理面接
9 統合失調症の10代女性との塗り絵を用いた心理面接
10 統合失調症と診断された20代女性との心理面接
――自分と第三者との関係性をめぐって
11 神経症の40代男性との心理面接
――イメージとして見た身体症状
ユング派心理療法を学ぶ人のためのブックガイド
さくいん