ドイツ・キリスト教民主同盟の軌跡 国民政党と戦後政治 1945~2009
中道の国民政党への歩み
激しい権力闘争、福祉や外交をめぐる路線対立、政党不信の拡がり……。
幾多の困難をくぐり抜け、いかにして戦後ドイツの最有力政党となったのか。
戦後ドイツ政治、福祉国家の主たる担い手であるキリスト教民主同盟。本書は、これまで日本ではあまり取り上げられることがなかった同党を、党の運営、路線、党−社会関係から立体的に描き出そうとする試みである。
[ここがポイント]
◎ ドイツのキリスト教民主同盟に関する貴重な研究
◎ キリスト教民主同盟と福祉国家政策を切り結ぶ画期的研究
第1章 キリスト教民主同盟へのアプローチ
1 政党研究の論点
2 国民政党の特徴
3 分析視角の設定
第2章 アデナウアーの党指導
——国民政党への前進 1945〜1963
1 創立期の路線対立——地域間の多様性と宗派間対立
2 アデナウアー政権下での躍進——衆派統合の進展
第3章 世代交代と中道の模索
——若手グループの党改革 1963〜1982
1 路線対立の激化——エアハルトとキージンガーの失敗
2 新しい中道へ——バルツェルの挫折と若手グループの台頭
第4章 コール・システムの発展と瓦解
——国民政党化とその危機 1982〜2000
1 コール・システムの発展——キリスト教民主同盟の首相政党化
2 ドイツ統一のインパクト——さらなる国民政党化と危機の進行
3 コール・システムの瓦解——不正献金スキャンダルと党勢の衰退
第5章 メルケルの台頭と新路線
——キリスト教民主同盟の刷新 2000〜2009
1 多極的リーダーシップによる党運営——新自由主義への傾斜
2 メルケルの首相政党へ——家族政策の転換と新しい中道
終 章 中道の国民政党を目指して
注
参照文献・資料
あとがき
付録資料
ドイツ全図
略語一覧
索 引