福祉と労働・雇用
「正社員」体制の下で成り立っていた福祉と労働の幸福な分業は、「正社員」が徐々に縮小し、企業単位の生活保障からこぼれ落ちる部分が徐々に増大するとともに、否応なく見直しを迫られている。福祉と労働のはざまで見落とされてきたものはなにか、そして両者を再びリンクしていくにはどうしたらよいか。
本書は福祉・社会保障政策と雇用・労働政策の密接な連携を求めて、これらの「はざま」の領域の政策課題について検討をおこなう。
1 雇用保険と生活保護の間にある「空白地帯」と就労支援
2 高齢者の雇用対策と所得保障制度のあり方
3 学校から職業への移行
4 障害者の福祉と雇用と「福祉的就労」
5 女性雇用と児童福祉と「子育て支援」
6 労働時間と家庭生活
7 労災補償と健康保険と「過労死・過労自殺」
8 年功賃金をめぐる言説と児童手当制度
9 最低賃金と生活保護と「ベーシック・インカム」
10 非正規雇用と社会保険との亀裂
11 医療従事者の長時間労働
12 外国人「労働者」と外国人「住民」
文献案内/索 引