社会福祉法人だからできた誰も制度の谷間に落とさない福祉 経済的援助と総合生活相談で行う社会貢献事業

今食べるものがない人に対し、まず必要な援助は「今食べるものを用意する」こと。ところが現在の福祉制度では、この当たり前のことがすぐにできない。本書は誰も制度の谷間に落とさない決意のもと、社協と老人施設が取り組んだワンストップで実行力のあるシステムを紹介する。相談援助に自前の経済援助を組み合わせることで、今困っていることを今解決しながら、平行して中長期的な視野での自立援助を行うことが実現した。

〔ここがポイント〕
  ・既存のセーフティネットから落ちた生活困難者の支援事業のモデルケース
  ・臨場感あふれる事例で日本の貧困のいまと、それを最前線で支える現場を紹介
  ・社会福祉がが具体的にどう人を支えているかがわかる

はじめに
この本でよく使われる用語
序　章　社会福祉法人だからできること
　　　　　――社会福祉法人でなければできないこと
第１章　生活困窮者支援の現場
　　　　　――日本の貧困最前線
　事例１　家族と別れ、困窮状態となった少年への就労・生活支援
　事例２　ＤＶ被害にあった母子家庭への支援
　事例３　生活困窮した精神疾患の父とその家族へのワンストップ相談
　事例４　家を追い出されそうになった知的障がい者への地域での支援の輪
　事例５　女性の貧困　就労自立への道
　事例６　息子夫婦から虐待を受けた高齢世帯への転居支援
　事例７　ゴミに囲まれて暮らしていた精神障がい者への支援
　事例８　野宿生活から脱出した後の暮しのサポート
　事例９　拘置所を出所後、帰る家もなかった人への寄り添い支援
　事例10　突然失職した外国籍労働者の帰国支援
　コラム１　孤独を防ぐ居場所・仲間づくり

第２章　社会貢献事業とは何か
　１　歴史と理念
　２　社会貢献事業のしくみ
　３　相談のしくみと流れ
　４　相談実績
　コラム２　施設間での連携のしくみづくり

第３章　社会貢献事業の存在意義
　１　調査結果からみる社会貢献事業の効果
　２　コミュニティソーシャルワークの具象化としての社会貢献事業
　３　社会福祉法人が行う意義
　コラム３　被災地へのコミュニティソーシャルワーカー派遣の取り組み

第４章　社会貢献事業の全国での展開に向けて
　１　生活を支える福祉のセーフティネットとしての機能
　２　本事業の特徴点からみた都道府県社協の役割
　３　「全社協福祉ビジョン2011」における本事業の位置付け
　４　社会貢献事業の全国への展開に向けて
　５　全国への発信と今後の課題

おわりに
さくいん