大英帝国博覧会の歴史 ロンドン・マンチェスター二都物語
ロンドンとマンチェスター、ハイドパークとシドナム、東京とロンドン……、様々な形の「二都物語」。
1851年の世界初のロンドン万国博覧会から、黒煙の綿工業都市マンチェスター美術名宝博、第二回ロンドン万国博、日英博覧会。会場の様子や開催前後の時代背景、社会的・政治的出来事など、大英帝国の博覧会をめぐる歴史と国際関係を描き出す。
[ここがポイント]
◎170点を超える挿図に加え、第一回万博後に「水晶宮」はどうなったのか、第二回万博開会式典に参加した幕末遣欧使節団、日本を含めた諸外国の展示物の記述など、魅力的なエピソードが満載
◎詳細な史料分析に基づく、当時の博覧会に参加しているような感覚で読める臨場感あふれる描写
Part 1 1851年ロンドン万国博覧会と水晶宮
1 美術協会の新たな挑戦
――産業革命と「二つの国民」を越えて
2 パリ内国博覧会とロンドン製造品年次大博覧会
3 ヘンリー・コール登場
4 万国博覧会の実現へ
5 王立委員会のつまずき
6 アルバート公の苦難
7 ジョゼフ・パクストン登場
8 ガラス宮殿のデザイン
9 水晶宮建築のプロセス
10 ハイド・パークのガラス宮殿
11 展示場空間と景観
12 万博開幕と群衆の新時代
13 展示品点描
14 諸外国の展示――中国コーナー再考
15 ディケンズとR・H・ホーンの万博記
16 展示品褒賞とその基準
17 シリング・デーの情景
18 パクストン讃
Part 2 シドナムの水晶宮
――民衆教育と娯楽の殿堂
1 水晶宮保存に向けて
2 シドナムの水晶宮
3 娯楽と教育の場としての水晶宮
4 ヘンデル・フェスティバル
5 外国からの貴賓、日本使節団
Part 3 マンチェスター美術名宝博覧会
1 工業都市マンチェスターと美術
2 エルズミア伯爵とアルバート公
3 博覧会会場と美術名宝
4 ハーフォード・コレクション
5 スーラージュ・コレクション
6 ラファエル以前初期イタリア絵画への開眼
7 アルバート公とビザンティン美術
8 イギリス近代画家たちと作品
9 18世紀イギリスの三人の巨匠
――ホウガース、ゲインズバラ、レノルズ
10 ラファエル前派とマンチェスター
Part 4 1862年国際博覧会
1 第二回ロンドン万博への道のり
2 国際博覧会会場
3 クリミア戦争とその余波
4 アームストロング砲の時代へ
5 国際博覧会会場の幕末使節団
6 日本製品展示場
7 ピクチャー・ギャラリーズ
8 国際博覧会その後――新国際博覧会開催へ
9 日本の国際博覧会参加へのプロセス
Part 5 日英博覧会 イン・ロンドン
1 ホワイト・シティの1908年英仏博覧会
2 1910年日英博覧会開催へ
3 ロンドンにおける日本再現
4 日本歴史館
5 東洋館――台湾・韓国
6 日本政府省庁館
7 美術の館――回顧の絵画と浮世絵
8 イギリスの美術部門
9 日本庭園と王立園芸協会
10 作品褒賞と閉幕
主要参考文献/人名・事項索引