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福祉の経済哲学 個人・制度・公共性

福祉の経済哲学

本来異質な性格である経済学と福祉の思想を併せ持つ規範的制度とはいかなるものか。経済学の新しい可能性と拡がりを描く。

著者 後藤 玲子
ジャンル 哲学・思想
経済
社会福祉
出版年月日 2015年07月30日
ISBN 9784623071456
判型・ページ数 A5・408ページ
定価 本体4,500円+税
在庫 在庫あり
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  • 内容説明
  • 目次

本来異質な性格を持つ経済学と福祉の思想を併せ持つ規範的制度とはいかなるものであるのか。その思想的背景から、制度経済学的、社会的選択理論的な個別分析、そして、政治経済学全般を議論する。経済学の新しい可能性と拡がりを描く。

[ここがポイント]
◎ 経済学と福祉学の交差する部分を議論し新しい経済学の構築を目指す。
◎ 著者ここ10年の研究をまとめる。

はしがき

序 章 福祉と経済学、そして哲学
 1 個人の選択と自己責任
 2 福祉と戦争
 3 推論と常識
 4 世界への気遣いと経済学
 5 本書の基礎概念

 第 Ⅰ部 福祉の比較理論分析
導 論 規範理論の分析視座
第1章 リベラリズムとコミュニタリアニズム
 1 個人内分配と個人間分配の相違
 2 リスクの前で対称的な個々人への「等しい尊重と配慮」
 3 異なる境遇の個々人への「等しい尊重と配慮」
 4 相互性の諸観念
 5 ルールの制定・受容に関する相互性
 6 個人の統一的な価値をとらえる評価の仕組み
 7 社会保障制度の規範的分析における展望

第2章 正義とケア
 1 正義とケアという2つの観点
 2 基本的枠組み
 3 個人の公共的判断とは
 4 正義とケアの観点の切り結び
 5 ケアと依存性
 6 正義と主体性
 7 当事者・主体・共同性

第3章 リスクに抗する福祉とは
 1 リスクと社会階層構造
 2 観点としてのリスク
 3 リスクの個人化
 4 アリストテレスの正義と衡平性
 5 不当性を伴う経済的給付
 6 カテゴリー別給付の意味
 7 基礎的機会の保障
 8 福祉国家のヴァリエーション
 9 制度と規範意識

補論1 善と正義

 第Ⅱ部 福祉制度の経済分析
導 論 福祉制度の分析視座
第4章 「財産所有民主主義」システム
 1 公理的アプローチに基づく比較制度分析
 2 基本モデル
 3 福祉国家のヴァリエーション
 4 福祉国家を支える諸規範理論と評価軸
 5 政治的リベラリズムと潜在能力アプローチ
 6 「財産所有民主主義」システムの構想
 7 公正概念再考
 8 損失補塡と基本財保障

第5章 市場の論理と福祉制度
 1 経済体制と規範理論
 2 所得政策と福祉政策
 3 市場を補完する所得政策
 4 アダム・スミス「見えざる手」の再解釈
 5 匿名性・効率性・衡平性、そして市民的自由
 6 市場の失敗と政府の失敗
 7 不釣り合いを支える規範と労働インセンティブ
 8 選好の内生的変化と市場
 9 福祉の思想

第6章 公的扶助の財政と就労インセンティブ
 1 福祉制度と財政構造
 2 現代日本の所得保障制度の概観
 3 日本の生活保護制度
 4 NITモデルとアメリカ・フランスの低所得者政策
 5 ミニマム福祉保障再考
 6 制度の構想
 7 就労意欲を支える公共的相互性
 8 価値の多元性とミニマム

補論2 福祉と経済成長

 第Ⅲ部 潜在能力アプローチと福祉の社会的選択
導 論 セン経済学の誕生

第7章 自立の社会的基盤と公的扶助
 1 独立と自尊
 2 自立の社会的基盤再考
 3 個人の選択したこと、しなかったことの意味
 4 自立の実質的機会の保障について
 5 自立支援政策の問題
 6 個人と公的扶助

第8章 政治的リベラリズムを越える論理と制度
 1 フェミニズムの視点と制度化の論理
 2 制度化批判に伴いがちな4つの論理的盲点
 3 支配と依存、そして自由
 4 暴力的に介入されない自由と能力
 5 暴力の介入の不在を保障する施策
 6 J.S. ミルとM. ヌスバウムの議論から
 7 「特権性」に関する等しい承認プロセス
 8 個別・特殊間の整合性

第9章 社会的排除・基本的福祉の保障
 1 集合間の布置と社会的排除
 2 内外関係のもたらす不利性
 3 潜在能力貧困と社会的排除
 4 公共的経済支援政策の範囲と実行可能性
 5 社会的選択手続きの枠組み
 6 公共的経済支援政策の社会的選択手続きモデル
 7 社会的選択手続きに課す規範的諸条件
 8 社会的排除と責任

補論3 リベラリズムの数理的定式化

 第Ⅳ部 福祉の政治経済学
導 論 アロー、ロールズ、そしてセン
第10章 多元的民主主義と公共性
 1 ロールズとセンのパースペクティブ
 2 ロールズ正義理論の要諦
 3 ロールズ正義理論に対するセンの批判
 4 〈社会〉か多元的集合体かというセンの批判
 5 複数の集団にまたがる個人の自己統合化
 6 公共的熟議と必要の発見
 7 社会的参加と社会的排除あるいは包含

第11章 民主主義の沈黙
 1 非決定性の論理と構造
 2 集合的決定と手続き的正義
 3 パレート条件の十分性の検討
 4 パレート条件の必要性
 5 多数決ルールの合理性
 6 ポジション配慮的選択手続きの可能性
 7 民主主義の限界と可能性

第12章 差異の平等
 1 センによるロールズ正義「理論」批判
 2 平等をめぐるロールズ- セン論争
 3 厚生経済学と「公正としての正義」構想の内的整合性
 4 非完備性とロールズ格差原理への潜在能力アプローチ
 5 ロールズ正義理論の方法的枠組みの拡張可能性
 6 社会ルールの客体としての個々人に関する非対称的扱い
 7 社会ルールの主体としての個々人に関する非対称的扱い
 8 「公正としての正義」の向こうへ

補論4 現代正義論と支援の思想

終 章 自由への規範としての制度
 1 福祉サービスの平等と差異化
 2 差異と平等規範
 3 福祉と資本

参考文献
あとがき
人名・事項索引

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