発達143:子どものこころの健康
日々の子どもたちとの出会いのなかで、「こころの育ち」に不安を感じることや、その子どもと家族に対する支援の必要性を感じることもあります。“子どものこころの健康”のために、乳幼児期のこころの育ちの理解とともに、それを支える保育の営みや家族支援について様々な視点から考えます。
[ここがポイント]
◎ 発達障害者支援法施行から10年,児童虐待防止法から15年、精神保健福祉法から20年の今年、乳幼児の精神的健康について考える
◎ 子どもの発達から、家族や園内環境といった子どもを取り巻く環境まで、幅広い視点から、こころの健康と発達についてみていく
Ⅰ 乳幼児期のこころの発達を見守るために
人間の発達と子どもの精神的健康(本城秀次)
乳幼児のこころとからだの発達を見守る保育(井桁容子)
幼児の仲間関係・集団の育ちと保育(奥山順子)
親と子の“関係性”の視点を大切にした支援のために(脇田菜摘・永田雅子)
発達の質的転換とその診断――1歳半までの発達と「つまずき」(白石正久)
Ⅱ 関係、環境のなかで育つ子どものこころ
二つの社会的世界に生きる子ども(遠藤利彦)
養育・保育環境と子どもの精神病理の発達(菅原ますみ)
保育室の環境変成の試み――乳児保育所0歳児クラスにおける空間構成に注目して(村上博文)
おもちゃでつながるコミュニケーション――「赤ちゃん木育ひろば」の遊びの事例から(石井今日子)
Ⅲ こころの健康を支える子どもと家族への支援
保護者を支え、保護者と子どもとの関係を見守るかかわり(大竹直子)
健やかな発達を願って――乳幼児期の親子関係の問題とその支援(奥山眞紀子)
「発達障害」の早期支援のための連携協力――暮らしにくさをかかえた子どもたちの明るい未来のために(柳川悦子)
お互いが依存しあえる障がい児者のネットワークづくりをめざして(宮崎勝宣)
【連載】
保育に活かせる文献案内‹連載 10〉
新制度を意識した保育の専門性をめぐる研究(汐見稔幸)
ことばとコミュニケーションを科学する‹連載 10〉
動物との比較から見つめるヒトの視線(玉川大学赤ちゃんラボ)
子どもたちの情景―そばにそっといたおねえさん先生から見えたこと‹連載 4〉
ルールはルールだけど(ひらのゆうこ・浜田寿美男)
人との関係に問題をもつ子どもたち‹連載 85〉
意味を知りたい、共有したい~自閉症スペクトラムAくんの小学部三年間の育ちを振り返る~(《発達臨床》研究会)
霊長類の比較発達心理学‹連載 122〉
熊本サンクチュアリのチンパンジーとボノボ(平田 聡)
障がいのある子の保育・教育のための教養講座―実践障がい学試論【保育/教育指導編】‹連載 13〉
優れた実践を「示す」作法(佐藤 曉)
育つということ―発達臨床のフィールドから‹連載 22〉
育ちと関係の多様性 その2 学童期のともだち関係と発達の節目(山上雅子)
【発達読書室】
著者が語る「障碍のある子とともに歩んだ20年——エピソード記述で描く 子どもと家族の関係発達』(原 広治)
書籍紹介