格差で読み解くグローバル経済 不寛容の拡がりに共生を問う
[ここがポイント]
◎ 「格差」という共通のテーマ設定して、世界経済を読み解く。
◎ 世界の主要な国、地域をバランスよく網羅する。
序 章 グローバル経済のいまをどう読むか――グローバリゼーションと民主主義のジレンマを超えて(溝口由己)
1 グローバリゼーションの果実は誰に配分されたのか
2 「1%対99%」の格差
3 「人間の顔をしたグローバリゼーション」を!
4 本書の内容
第1章 資本主義経済ではなぜ格差が生まれ,拡大するのか――資本主義の仕組みから考える(菅原陽心)
1 資本主義の歴史的発展と格差
2 階級間格差の理論的解明
3 20世紀資本主義=大衆社会化の進展の理由
4 グローバル経済の進展と労働力商品
第2章 世界各国の経済システムはなぜ違うのか――所得格差の時間的可変性と空間的多様性(厳 成男)
1 現代資本主義の時間的可変性と空間的多様性
2 現代資本主義における所得格差の多様性
3 所得格差の拡大メカニズム――累積的因果連関の視点
4 格差を収斂させる力と制度的調整の役割
第3章 パックス・アメリカーナの衰微とネオブロック化?――格差・戦争・景気に彷徨うアメリカ経済(大森拓磨)
1 アメリカという国家の普遍で歴史的な特質
2 格差・戦争・景気が導く覇権国家への途
3 パックス・アメリカーナの醸成と隆盛
4 パックス・アメリカーナの衰微とネオブロック化
第4章 「植民地帝国」フランスはどう変わったのか――「エナルク」階層で見出された二大原石に着目して(藤田 憲)
1 ミッテランに見出された原石――ジャック・アタリ
2 アタリに見出された原石――エマニュエル・マクロン
3 脱植民地化と欧州統合の同期性
第5章 中国経済はどこへ向かうのか――その現在地と今後(溝口由己)
1 リーマンショック後の景気回復
2 「新常態」(ニューノーマル)
3 中国の格差問題
4 中国はどこへ向かうのか
第6章 ロシア経済の内実とは何か――格差から見るロシア経済の多様性(道上真有)
1 1990年代の市場経済化がもたらしたもの
2 資源依存型経済の盛衰
3 格差から見るロシアの人々の生活とその多様性
4 多様な格差が共生するロシアとどう付き合うか
第7章 日本の所得再分配政策は機能しているか――税と社会保障による再分配の課題(根岸睦人)
1 日本の所得格差と再分配の現状
2 再分配政策の国際比較
3 日本の公的負担の仕組みと課題
4 日本の生活保障の仕組みと課題
第8章 東南アジア経済は「中所得国の罠」を克服できるか――中間層拡大と格差問題(石川耕三)
1 2000年代の東南アジア経済
2 「中所得国の罠」をどう克服するか
3 東南アジア諸国の経済政策
4 東南アジアにおける格差問題
人名索引
事項索引