発達心理学[第2版] 周りの世界とかかわりながら人はいかに育つか
[ここがポイント]
◎ 近年の発達心理学を中心とする諸研究の進展や、国際比較調査、国内外の各種調査などの成果をふまえて、各章の本文や図を最新の内容に改めた
◎ 各章の本文をより具体的でわかりやすい記述にした
◎ 各章末の〈おすすめ文献〉に最新の文献を加えた
1章 乳児期①:世界を知りはじめる(旦 直子)
・生まれつき,何をどこまでわかっているのか?
・周りの世界をどのように見ているのか?
1 知覚の発達
2 認知の発達
3 言語の発達
4 乳児期の発達のメカニズム
コラム おもちゃが斜めに落ちたらおかしい?
2章 乳児期②:人との関係のはじまり(常田美穂)
・ヒトの赤ちゃんは他者との関係をどのように築きはじめるのか?
・感情の共有はどのようにしてなされるのか?
1 乳児が自力では移動できないということの意味
2 「他者とともにいる」とはどのようなことなのかを学ぶ
3 コミュニケーションのはじまり
コラム ヒトの個体発達における養育者の役割
3章 幼児期①:今・ここの世界からイメージとことばの世界へ(郷式 徹)
・どのように目の前にないものをイメージできるようになっていくのか?
・自分/他人の心の理解とことばの発達やコミュニケーションはどのように関係するのか?
1 表象の獲得としての幼児期の知能・認知の発達
2 幼児期前半——感覚・知覚からの表象の分離が始まる
3 幼児期後半——表象と表象の関係を表象し始める
4 不適切な反応に対する抑制能力の発達
5 社会的知能の拡大としての表象能力
コラム 知能と認知スタイル
4章 幼児期②:自己の育ちと他者との関係(小松孝至)
・自分への気づきはどのように現れるのか?
・他者とかかわる中で育つ子どもの自己はどのようなものか?
1 子どもの「意図」の明確化と自分への気づき
2 友だちとのかかわりと自己の行動のコントロール
3 子どもの「個性」のなりたち
4 経験をことばにすることの意味
5 自己の発達とコミュニケーションの重要性
コラム 経験を話すことの意味と親からの働きかけ
5章 児童期①:思考の深まり(藤村宣之)
・子どもの考え方とおとなの考え方はどのように異なるのか?
・勉強がわからなくなりはじめるのはいつか? それはなぜか?
1 論理的思考のはじまり(小学校低学年:7,8歳)
2 具体的事象の概念化と思考の計画性(小学校中学年:9,10歳)
3 現実を超えた思考のはじまり(小学校高学年:11,12歳)
4 児童期における発達と教育のかかわり
コラム 子どもは商品の値段のしくみをどのように推測するか?
6章 児童期②:集団の中で育まれる社会性(清水由紀)
・友だちとの関係はどのように変化していくのか?
・集団生活の中で何を学んでいくのか?
1 集団生活のはじまりと自己概念の発達
2 友人関係のひろがり
3 コミュニケーションを支える他者理解の発達
4 道徳性と思いやりの発達
コラム 年少の子どもは「結果主義」?
7章 青年期①:自分らしさへの気づき(天谷祐子)
・自分らしさにどのように気づいていくのか?
・どのように自分の進路を見出していくのか?
1 身体の変化と自分への意識
2 他の人にはない自分らしさとは?
3 進路選び——自分らしさを具現化していくひとつの手段
コラム 自我体験——「私はなぜ私なのか」という問い
8章 青年期②:他者を通して自分を見る(加藤弘通)
・学校での活動を通じて何が変わっていくのか?
・問題行動はなぜ生ずるのか?
1 臨床事例から見る青年期の特徴
2 青年期における人間関係と心の変化
3 青年期と問題行動
コラム 〈荒れる〉学校の「問題行動をしない生徒」が持つ問題
9章 成人期:関係の中でのとまどいと成熟(松岡弥玲)
・結婚,出産,子育てといったライフイベントの影響はどのようなものか?
・人生の半ばを過ぎたという実感は,心にどのような影響を及ぼすのか?
1 成人期とはいつか?
2 家族を作る——生涯の伴侶を見つけ,子を産み育てること
3 女性・男性にとっての仕事と家庭
4 人生の折り返し地点——自己の問い直し
コラム 円満な結婚生活を送るには?
10章 老年期:人生の振り返り(伊波和恵)
・私たちはどのように老いてゆくのか? その老いの過程で,何を得,何を失ってゆくのか?
・高齢者は自らの生をどのように振り返り,どのように死に臨むのか?
1 老い——喪失と適応のプロセス
2 現代日本での幸せな老いとは?
3 老年期の心理的ケア
コラム お墓をどうしますか?
11章 文化と発達(榊原知美)
・文化によって発達の様相は異なるのか?
・世代を超えて何がどのように伝えられるのか?
1 発達と文化の関係を探る
2 保育・教育を方向づける文化的信念
3 学習を支えるコミュニケーション
4 実践の中での学習
コラム 数を重視する日本文化
12章 教育と発達(藤田 豊)
・他者とのかかわりの中で発達はどのように進むのか?
・教育によって発達の過程は促進しうるのか?
1 保育・授業の中の子どもの観察からの問いかけ
2 他者との関係における自己の発達——大人—子ども,子ども—子どもの関係に埋め込まれた発達課題
3 子どもの概念世界の拡がり・深まりと教育との関係——最近接発達領域
4 精神間機能から精神内機能へ——他者との関係の中で進む子どもの学習と発達
5 「教育」と「発達」に関する素朴理論——私の中の「教えるとは・育つとは」を問う
6 教育は発達の過程を促進するか?
コラム もうひとつの社会的相互作用——子どもどうしの教え合い・学び合い
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