環境社会学の考え方 暮らしをみつめる12の視点
[ここがポイント]
◎初学者にもわかりやすい平易な記述
◎自然と触れることの少ない人にも身近なトピック
第Ⅰ部 環境への考え方
第1章 環境を守るとはどういうことか?(足立重和)
1 環境問題を知る“窓”としてのマスメディア
2 環境問題の典型的な語り方
3 地元住民による環境の守り方
4 環境の守り方の多様性
第2章 誰がしっかりすれば環境は守られるのか?(足立重和)
1 環境問題は誰が解決すべきなのか
2 ちょっとした騒音問題
3 住民の発言がちからをもつ根拠
4 環境保全の要としての地域コミュニティ
第3章 暮らしとともにある環境はどのように管理されるのか?(足立重和)
1 もたざる者たちが“もっている”とは
2 ムラの土地所有のあり方
3 総有としてのムラの領域
4 暮らしとともにある自然は誰のものなのか
第4章 嫌がられる環境を誰が受け入れるのか?(平井勇介)
1 迷惑施設問題の特徴
2 NIMBYによって示された課題
3 話し合いによって住民は納得できるのか
4 地域コミュニティに内在する「納得」への道筋
第Ⅱ部 日常としての環境
第5章 人はどのように環境と遊んできたのか?(川田美紀)
1 自然環境のなかで「遊ぶ」
2 「遊び」の経験と環境の身近さ
3 「遊び」と地域コミュニティ
4 自然環境のなかでの「遊び」と環境問題
第6章 日本の草原はどのように維持されてきたのか?(藤村美穂)
1 野や山を活かす
2 人と草原の歴史
3 草原の独立
4 草原を維持するちから
第7章 公園は都市の環境を豊かにしてきたか?(荒川 康)
1 公園がなぜ問題となるのか
2 公園のもつ見えないちから
3 公園の公共性を可変的なものとするには
4 これからの公園づくりに必要なこと
第8章 これまでし尿はどう処理されてきたのか?(靏 理恵子)
1 人とし尿の関係史
2 し尿を介した都市と農村の関係
3 し尿処理のしくみと世界観,清潔・衛生観
4 し尿を私たちの視界に入れることから
第Ⅲ部 他者としての環境
第9章 環境と観光はどのように両立されるのか?(野田岳仁)
1 観光のターゲットになる身近な環境
2 観光客による舞台裏への関心
3 コモンズを支えるローカル・ルール
4 観光地の俗化をどのように防ぐのか
5 地域のローカル・ルールを守る大切さ
第10章 人と野生動物はどのような関係を築いているのか?(閻 美芳)
1 深刻さを増す獣害問題
2 獣害がない中国山東省の農村の暮らし
3 野生動物の保護から保護管理へ
4 村が科学的な個体数管理をやめた理由
5 自然と地続きの関係を見ることの必要性
第11章 未曾有の災害に人はどう対応していくのか?(金菱 清)
1 人間不在の鳥瞰図と科学的思考にもとづく行政施策
2 防潮堤拒否の論理
3 お節介なコミュニティと住民主体
4 「死者」とどのように折り合いをつけるのか
5 災害レジリエンスに欠かせないもの
第12章 環境をめぐって人々はどのようにいがみ合うのか?(足立重和)
1 コミュニティは万能か
2 いがみ合いのきっかけとしての外部権力
3 環境をめぐっていがみ合うとき
4 多様性を承認するコミュニティ
あとがき
索 引