揺れるヴェーバー—— 体系的理論家ではなく、矛盾と混乱に満ちた思想家としてヴェーバーを読み込む。
著者 |
千葉 芳夫 著
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ジャンル |
哲学・思想 社会
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シリーズ |
社会 > MINERVA 社会学叢書 57
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出版年月日 |
2019年12月20日
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ISBN |
9784623087334 |
判型・ページ数 |
A5・232ページ |
定価 |
定価7,700円(本体7,000円+税) |
在庫 |
在庫あり |
ヴェーバーの迷宮をさまよった者の記録であると同時に、その迷宮への誘い。ヴェーバーを体系的理論家ではなく、矛盾と混乱に満ちた思想家として読み解こうとするものである。テキストにおける矛盾や混乱に焦点を当てながらヴェーバーを読みこむことを通して一般化した解釈とは異なる解釈を提示する。
[ここがポイント]
◎ ヴェーバーを体系的理論家ではなく、矛盾と混乱に満ちた思想家として読み解く。
◎ 矛盾や混乱に焦点を当てながらヴェーバーを読みこむ。
はしがき
凡 例
第1章 揺れるヴェーバー
1 揺らぐヴェーバー像――序にかえて
2 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の解釈
3 プロテスタンティズムの評価
4 禁欲と人格
第2章 近代のペシミズム――ヴェーバーとニーチェをめぐって
はじめに
1 ニーチェの影響の時期
2 「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の解釈
3 「鉄の檻」と「人格」
4 騎士的精神
5 学問論
第3章 ヴェーバーにおける科学と合理性
はじめに
1 科学と意味問題
2 科学と合理性
3 「文化人」と科学
第4章 「神々の闘争」と科学
はじめに
1 「神々の闘争」
2 「神々の闘争」と科学
第5章 ヴェーバーにおける普遍性の問題
はじめに
1 普遍性と個別性
2 普遍性と合理性
3 主観的な合理性と客観的な合理性――目的合理性と整合合理性
4 手段的・技術的合理性
5 形式合理性
6 手段的・技術的合理性の限界
第6章 「法社会学」における形式合理性と実質合理性
はじめに
1 シュルフターと中野の解釈
2 形式的な法(formales Recht)の概念
3 法の形式性の二義
4 用語の混乱
5 「法社会学」の再解釈
6 法の歴史的発展傾向
7 形式的な法の実質的な法への転化
第7章 ヴェーバーと官僚制
はじめに
1 官僚制の技術的優秀性
2 官僚支配
3 官僚制の社会的影響
4 「文化人」と「専門人」
5 政治家と官僚
6 「非人格性」、「事象性」
第8章 「儒教とピューリタニズム」における脱呪術化概念
はじめに
1 宗教の合理化の一つの規準としての脱呪術化
2 脱呪術化と合理的生活態度
3 脱呪術化と脱伝統化
4 呪術と伝統
第9章 脱呪術化と合理化
はじめに
1 「脱呪術化」の二つの意味
2 宗教社会学における「脱呪術化」概念
3 ヴェーバーの合理化・合理主義概念
4 合理主義と伝統主義
5 脱呪術化の意味(1)
6 脱呪術化の意味(2)
第10章 脱呪術化と意味喪失
はじめに
1 主知主義的合理化と意味喪失
2 宗教の脱呪術化と意味喪失
3 宗教の脱呪術化の意義
補遺 『マックス・ヴェーバーの犯罪』をめぐって
はじめに
1 羽入の指摘
2 「コリントⅠ」7・20問題
3 羽入説の検討
4 残された問題
あとがき
人名索引/事項索引