日本を代表する碩学が日本の政治経済の近代化に貢献した福沢諭吉、伊藤博文、原敬、北一輝、石橋湛山、西郷隆盛について語る
本書は、日本を代表する碩学が政治経済の偉人たちについて語る。福沢諭吉、伊藤博文、原敬、北一輝、石橋湛山、西郷隆盛を取り上げ、その人物が直面した難局で、いかに考え、どう意思決定をしたのかを語る。歴史の中から今につながる叡智をえんとする高校生向けにやさしく語り掛ける教養講座。
[ここがポイント]
◎ 日本を代表する碩学が語る日本の偉人たちの業績。
◎ その業績が今の時代を歩むうえでいかに役立つかを解き明かす、高校生向け講座。
はしがき
第1章 智徳における「公」と「私」――福沢諭吉に学ぶ(猪木武徳)
1 力強い「私」の基盤としての「公」
2 福沢諭吉の議論の視点
3 文明の進歩とは物質的豊かさと高尚な精神
4 福沢の「西郷擁護論」に見る友情
第2章 「憲法政治」への道――伊藤博文に学ぶ(瀧井一博)
1 伊藤博文とは何者か
2 「伊藤博文」観の転換
3 「思想家」伊藤博文の追い求めたもの
4 伊藤博文の「憲法行脚」
5 伊藤博文の遺産を未来に
第3章 公共性のある社会秩序の形成――原敬に学ぶ(伊藤之雄)
1 原敬の理想
2 少年・青年期の苦難と成長
3 外交経験・国際経験を有する政党政治家への歩み
4 政党政治家を目指し実現する
5 原敬内閣の誕生と展開
6 見果てぬ夢であったか、「原敬の理想」
7 公共性の追求と怨念の克服
第4章 アジア主義的平等主義の模索――北一輝に学ぶ(筒井清忠)
1 北一輝のバックボーン
2 青年期の思想の核心
3 中国革命への参画
4 日本の社会変革運動へ
5 第一次世界大戦後の社会不安と国家改造への動き
6 二・二六事件
7 北一輝の「遺産」
第5章 現実に立ち向かう理論と実践知――石橋湛山に学ぶ(猪木武徳)
1 人物の評価の仕方
2 湛山に対する評価
3 公職追放の悲運
4 石橋湛山の思想の背骨
第6章 「近代」を超える拠(よすが)を探る――西郷隆盛に学ぶ(先崎彰容)
1 『南洲翁遺訓』と『文明論之概略』
2 西郷隆盛の生涯と福沢諭吉の同時代理解
3 なぜ日本人は語りつづけるのか
4 補遺 儒教の現代的意義
人名・事項索引