概説 日本思想史[増補版]
[ここがポイント]
◎ 東アジアやヨーロッパからの人やモノの流れをふまえ、列島に展開した思想の独自性を明らかにする
◎ 周辺領域の研究成果、そして様々な資料を駆使して、立体的な思想史像を構築する
◎ 平成思想史まで盛り込んだ、待望の増補版
日本思想史への招待
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Ⅰ 古代の思想
概説
1 ことば・文字と思想史
2 小「天下」の創出と文字使用の本格化
第1章 「日本」の誕生
1 「日本思想」の黎明
2 インド仏教とその東流
3 倭国仏教の展開
4 「日本」と「天皇」の登場
▶コラム1 聖徳太子
第2章 奈良時代の思想と宗教
1 天皇制度の成立とその政治思想
2 仏法と神祇祭祀
3 地域・民衆・女性
▶コラム2 神仏習合外来説
第3章 平安時代の仏教
1 最澄と空海
2 御霊信仰と神祇信仰
3 浄土信仰の展開
▶コラム3 罪と穢
第4章 平安時代の政治と貴族文化
1 弘仁・貞観文化
2 摂関政治
3 国風文化
▶コラム4 安倍晴明
▶コラム5 宿世
第5章 漢文の思想・和文の思想
1 仮名文学の発生
2 物語文学の生成
3 和風文化の開花
▶コラム6 末法思想
▶コラム7 木造仏の展開
Ⅱ 中世の思想
概説
1 中世的コスモロジーの形成
2 広がる世界観
3 イエ意識の形成
第6章 院政期の思想
1 院の信仰と文化
2 遁世と隠逸
3 文化の地方への波及
▶コラム8 未来記
第7章 武家政権の成立と政治思想の展開
1 中世的天皇観の形成
2 武家政権の誕生とその思想
3 政治思想の展開
▶コラム9 天道思想
第8章 鎌倉仏教の思想
1 鎌倉仏教の成立
2 国内的契機に基づく思想の変革
3 国際的契機に基づく思想の変革
▶コラム10 本覚思想
第9章 神道思想の形成
1 神祇信仰の変容
2 仏家神道の展開
3 社家神道の成立と展開
▶コラム11 神国思想
第10章 文芸と芸能の思想
1 無常感の浸透
2 無常観と芸道
3 無常観の変化と本覚論・尚古意識
▶コラム12 補陀落渡海
第11章 民衆文化の開花
1 中国文化の受容と変容
2 都市・農村・山野河海
3 室町・戦国期の思想動向
▶コラム13 こよみ
Ⅲ 近世の思想
概説
1 近世社会の特質
2 近世思想の骨格
第12章 世俗と宗教の葛藤
1 近世的公儀理念の形成
2 神国日本
3 合戦の文化と思想
▶コラム14 太平記読み
第13章 泰平の到来
1 「武威」の近世国家
2 朱子学と兵学
3 「御家」と武士道論
▶コラム15 日本型華夷意識
第14章 儒学と仏教
1 近世社会の儒学と仏教
2 日本近世における儒学
3 政治と儒学
▶コラム16 赤穂事件
第15章 町人の思想・農民の思想
1 職分論とイエの思想
2 生活と思想
3 庶民思想の豊かな世界
▶コラム17 義理と人情
第16章 神道と国学
1 儒家神道
2 国学の四大人
3 草莽の国学と尊攘過激派
▶コラム18 現人神
第17章 蘭学の成立と内憂外患
1 蘭学とその影響
2 経世家の登場と文化的ネットワークの形成
3 鎖国意識と後期水戸学の成立
▶コラム19 アイヌ・琉球・朝鮮
第18章 幕末の群像
1 アヘン戦争の衝撃
2 佐久間象山と横井小楠
3 「民衆宗教」の成立
▶コラム20 「帝国日本」
▶コラム21 お伊勢参り
Ⅳ 近現代の思想
概説
1 伝統思想と西洋思想の葛藤
2 共同体的倫理の解体
3 戦中と戦後の間
第19章 「文明」への旅立ち
1 王政復古とその理念
2 文明開化と明六社の人々
3 自由民権運動と宗教界の動向
▶コラム22 御真影
第20章 臣民と国民
1 「臣民」像と「国民」像の模索
2 日清戦争と「日本人」意識
3 日清・日露戦間期の思想
▶コラム23 教育と宗教の衝突
第21章 大正デモクラシーの思想
1 時代閉塞の状況
2 大正デモクラシー
3 思想の新潮流
▶コラム24 津田・村岡・和辻
第22章 都市と大衆の思想
1 大衆社会の成立
2 孤独と不安のなかで
3 大衆文化の諸相
▶コラム25 アジア主義
第23章 民族という幻想
1 マルクス主義の展開と挫折
2 日本への回帰
3 戦争と知識人
▶コラム26 総力戦論争
第24章 戦後民主主義
1 希望としての民主主義
2 60年安保闘争
3 試練の中の民主主義
▶コラム27 新宗教・新新宗教
第25章 国民と市民の相克
1 高度経済成長の終焉
2 ポストモダンの世界
3 グローバリズムとその反発
▶コラム28 ポストモダニズム
第26章 平成思想史
1 混沌の世紀末
2 ナショナリズムの高まりと希望格差社会
3 東日本大震災の衝撃,そして戦後日本の再考
参考文献
あとがき
日本思想史年表
人名・神仏名索引
文献・史料名索引