「時間とは何か」という不朽のテーマを哲学的に考えるための入門。時間をめぐる新旧様々なトピックを、広い視野から体系的に読み解く
著者 |
エイドリアン・バードン 著 佐金 武 訳
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ジャンル |
哲学・思想
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出版年月日 |
2021年11月30日
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ISBN |
9784623092574 |
判型・ページ数 |
4-6・272ページ |
定価 |
定価3,520円(本体3,200円+税) |
在庫 |
在庫あり |
時が流れるとはどういうことか、タイムトラベルは可能なのか、宇宙にははじまりや終わりがあるのか――。本書は、「時間とは何か」という不朽のテーマを哲学的に考えるための入門書。時間をめぐる新旧様々なトピックを、広い視野から体系的に読み解く。心の哲学や科学哲学など近接分野へ波及する内容を含み、哲学的時間論の広大さと奥行きを堪能できる。著者独自の刺激的な見解により哲学の意義が改めて問い直される一方、初めて哲学にふれる読者にも最適な一冊。
(原書: Adrian Bardon, A Brief History of the Philosophy of Time, 2013, Oxford Oxford University Press.)
[ここがポイント]
◎ 時間をめぐる哲学の営みを一から読み解くことができる。
◎ 時間に関する伝統的な立場を、「観念論」「実在論」「関係主義」の3つに大きく分類したうえで、様々な哲学的論争が一貫した視点から見通しよく提示される。
◎アメリカ哲学特有のプラグマティズムの考えや進化論的観点もバランスよくとりいれられている。
日本の読者のみなさんへ/謝辞
イントロダクション 「時間とは何か」という問いは何を意味するか
第1章 時間と変化
エレア派/ゼノンのパラドクス
ゼノンに対するアリストテレスの回答
パルメニデス流の観念論
アウグスティヌスの神学的観念論
第2章 観念論と経験
ロックの誤り /カントの観念論による解決
実在論と両立可能な代替案 /時間経験の構成
第3章 時間と時空
アリストテレスを塗りかえる
ニュートンとライプニッツ
相対論/時空とは何か
時空に関する実在論
第4章 時間の流れ
時間は経過しないと考える(論理的な)理由
時間は経過しないと考える(物理学的な)理由
時間が過ぎるというありふれた感覚
適応上の心理的投影としての時間の経過
第5章 時間の矢
時間の向き/心理的な矢
熱力学的な矢/因果による分析
いわゆる時間の向きが一体どんな違いをもたらすというのか
量子もつれと因果の向き
第6章 タイムトラベルの可能性
フィクションとしてのタイムトラベル
タイムトラベルは論理的に可能か
タイムトラベルは物理的に可能か
タイムトラベルの非対称性をめぐる問い
第7章 時間と自由
アリストテレスと明日の海戦/因果的決定論
宿命論および決定論に対する応答:両立論
第8章 宇宙のはじまりと終わり
関係主義:アリストテレスと永遠の変化
観念論:カントの二分法
実在論:ビッグバンに関する物理学
自らの限界に直面して
エピローグ 「時間とは何か」と問うことは間違いか
訳者あとがき
人名・事項索引