「大隈重信門下の三傑」と呼ばれ、自由民権運動・護憲運動を推進。憲政史に輝く「正義」の政治家の 「清節」を貫いた生涯に迫る
島田三郎(1852年から1923年)政治家、ジャーナリスト。
尾崎行雄、犬養毅とともに「大隈重信門下の三傑」と呼ばれ、自由民権運動・護憲運動を推進。社会問題にもいち早く目を向け、廃娼運動や足尾銅山鉱毒事件の被害者救済に尽力した。日本憲政史に類を見ない、「正義」の政治家の生涯と実像に迫る。
[ここがポイント]
◎ これまで一般に知られてこなかった島田の多彩な人生を描き出す。
◎ 島田を通じ、日本近代史の新たな側面に光を当てる。
はじめに
第一章 立身出世を求めて
1 苦難に満ちた幼年時代
2 沼津への移住
3 東京への帰還
4 大蔵省翻訳局
5 活路としての横浜
6 時勢の波に揺られて
第二章 官僚時代
1 元老院への出仕
2 『立法論綱』と功利主義
3 沼間守一と嚶鳴社
4 「実際文部卿」
5 明治一四年の政変
6 屈折した進路
第三章 人生の転機
1 小野梓と立憲改進党
2 キリスト教への入信
3 『開国始末』の出版
4 『開国始末』の反響
5 はじめての海外旅行
6 アメリカからヨーロッパへ
7 家庭内の苦悩
第四章 初期議会での活躍
1 廃娼運動への取り組み
2 立憲改進党のリーダーへ
3 国会へのデビュー
4 第三議会の活動
5 星亨との対立
6 屈折した条約改正論
7 三者の因縁
第五章 政治家と経営者の二足のわらじ
1 政党からの離脱
2 『毎日新聞』の経営
3 星亨との対立ふたたび
4 田中正造との交友
5 鉱毒問題への取り組み
6 ユニテリアンと社会主義
第六章 政界革新運動のリーダーとして
1 選挙権拡張論への転換
2 『毎日新聞』の身売り
3 政界革新運動の展開
4 二度目のアメリカ視察
第七章 苦悩の晩年
1 シーメンス事件
2 廓清会での活動
3 普通選挙運動への取り組み
4 軍縮への願い
参考文献
おわりに
島田三郎略年譜
人名・事項索引