生物学の夢を追い求めて
精子研究の先駆者、自伝を著す
かつての昆虫少年が歩んだ自身の生涯と、戦後生物学の発展の軌跡を描き出す。
生物学の泰斗、毛利秀雄。彼が歩んだ時代は、日本の激動の時代でもあった。本書は自身の生い立ち、研究課題、直面した問題、出会いと別れ、向き合った歴史的事件の数々を精緻な筆致で活写した自伝である。精子研究の礎を築き、大学退官後も様々な仕事に取り組んでいく碩学が、次世代に語りかける。
第一章 若き日の想い出--研究を志すまで
1 幼少時代の記憶
2 戦中・戦後の青春
3 動物学の道を志す
第二章 精子学事始め--研究に没頭する日々
1 なぜ、精子の研究か
2 東京大学教養学部--駒場・自由の天地
3 初めての留学
第三章 いざ前進--青年将校の抱いた夢
1 動物学会の革命と精子研究会の発足
2 ダイニンとチューブリン
3 大学紛争の日々
4 オーストラリア・ハワイ・MBL
第四章 研究と教育のあいだ--大学・学会の要職時代
1 多忙な日々
2 国際生物学賞と国際精子シンポジウム
3 大学の中枢と管理職
4 生殖生物学の発展のために
第五章 生涯現役主義――東大退官後の日々
1 生涯教育と生物研究の最前線
2 後に続くものを信ず――生物学オリンピック
主要著作一覧
参考文献一覧
あとがき
毛利秀雄略年譜
人名索引・事項索引